流れ流れて小笠原諸島
2008年の一月にラサのゴンガル空港で待っていたカトマンズ行きの飛行機が飛ばず、一緒に遭難した日本人カップル、Yくん&Tちゃんからメールが届いた。
二人は留学先のNYで知り合い、その後帰国してから働いて貯めたお金で当時一年がかりの旅の最中だった。メールには、
「自然に流れ流れ流れ着いたら小笠原諸島に移住することになりました。」
と書いてあった。
小笠原諸島へ移住か、日本で一番遠い場所だよな。
物理的な距離を無視すれば小笠原諸島(居住できるのは父島か母島のみ)は日本で一番遠いところにある。
なぜなら移動手段が東京ー小笠原間を運行しているフェリーおがさわら丸 のみで、しかも正規の運行時間で東京港から父島まで25時間半かかる。つまりこれをフライト時間に置き換えると、日本で一番遠いどころかバンコクよりもイスタンブールよりもロンドンよりも遠い、北米の各都市よりもまだ遠い、なんならあともうちょっとでJALのJFK空港径由乗り換えなしサンパウロ行き(28時間)と大差ないくらい移動に時間がかかるところにある。
しかし小笠原諸島かぁ、思いきったところに行くなぁ(しみじみ)。
今思い返せば予兆はあった。
二人がインドを巡っているときのこと。
カルカッタからメールがあり、
「二度とない機会だからアンダマン・ニコバル諸島へ行こうかどうか迷ってます…」
とメールが来たので、無責任にも「絶対に行くべし」と返事をしたところ、本当に船で30時間かけてポートブレアまで行ってきて、
「まさにラストパラダイスだった…」
と言っていたのをいま思いだした。
アンダマン・ニコバル諸島と小笠原諸島、どちらも本土から離れた絶海の孤島で歴史上、イギリスに干渉されたという点で良く似ている気がする。
自分は小笠原諸島には行ったことはないが、太平洋フェリーが年末になると会社の特別企画で時々小笠原クルーズの船を出すので、勤めている同級生が仕事でよく行っていた経緯から、島の話はよく聞かされていた。
(誘われているのだがいまだ、一度も乗れず。だって年末年始は毎年チベット行くし…)
また、弟が転職するときに、
「こんな時にしかまとまった時間が取れないのでどこか離島に行きたいんだけど どこがいいかな?」と相談され、「沖縄は仙台から二時間 (飛行機)で行けるけど、小笠原はフェリーで25時間半かかる。こんな時にしか行けないのは絶対に小笠原」とアドバイスし、小笠原に行かせたこと があった。
(お土産に海亀の缶詰もらったが不味かった…)
そんなワケで行った事はないものの小笠原諸島には一方的な親近感をもっている(笑)。
小笠原諸島は現在、世界遺産指定へ向けエコ関係の仕事がけっこうあるらしく、Y君はすでに就職先を見つけて先に移住。
年末に後を追うTちゃんは看護師さんなので島の診療所で働きながら将来は海外からの変わり者たちが気軽に泊まれるようなゲストハウスを二人で開くのが夢なんだとか^^
メールの末文に、
「旅のついでにいつかチベせんさんも寄ってくださいな。」
とあったが、いやTちゃん、どう考えてもついでに寄る場所じゃないでしょう(苦笑)。
いいよいいよ、せっかくだから来年あたり二人の島生活が落ち着いたころにでも遊びに行くよ。
その時は名物の亀寿し(←ウミガメ握ったもの)つまみに小笠原ラムで乾杯しようぜ♪