事故物件 | チベせん日記

事故物件

暑い日が続くのでここでちょっと涼しいお話し。


昨年の九月に仙台市近郊、I沼市の中古マンションの売買を仲介したときのこと。


その部屋の床はすべてジュータン敷きだったのだが、お客様のご希望で入居までにフローリングにリフォームして欲しいとの依頼を受け、引き渡し日まで時間がないのでさっそく大工Tを現場によび、打ち合わせをする。すると浮かない顔でやってきた大工Tが開口一番、


大工T:「…こ、このマンション、大丈夫っすよね…(汗)!?」


と聞いてくるので職業上、その「大丈夫」の意味を瞬時に理解した自分は、いわくつきとは聞いてないし、事故物件でもないから大丈夫だと思うけどどうしたの?と聞くと、大工Tは先週体験したある不思議な話を語り出した。

以下要約。


さかのぼること一週間前のこと。

大工TはSヶ浜町の中古マンションでここと全く同じ条件(ジュータン→フローリングのリフォーム)の工事を請け負った。

工事に入り、既存のジュータンを剥がしてみると畳一枚分くらい床の状態が悪い箇所があったので、そこをプライマー剤で下地処理し、その日は帰った。

翌日、プライマー乾いたかなぁ~と部屋に入るなり確認してみると、プライマーを塗った箇所一面にビッシリ子供の手形がペタペタペタペタペタペタ~とついていたそうだ。(一緒に踏み込んだ相棒の大工Mにも事実を確認)

鍵は一本しかないのでくれぐれも失くさないようにと工事発注主の不動産屋にクギをさされていたので大工Tしか持っておらず、前日も確実に施錠して帰ったし、今日もカギを開けて入ったので何者かが中に入ったとは考えられない。(もちろんマンションのエントランスはオートロック)。

ガクブルした大工Tはソッコー発注主の不動産屋の担当者に連絡し、事実を説明。初めキョドりながらもとぼけようとしていた担当者だが、


大工T:「はっきり言え。ここなんかあんだろ!!」


と、強く問い詰めると、


担当者:「…実は数ヶ月前にその部屋で女性が自殺しまして。。。」


・・・やはり事故物件だった。


大工T:「それ以上聞いても怖いだけなので結局、子供の手形の謎は解明しなかったんですけど、まだ記憶が生々しいので一人で仕事するの怖いんですよ。。。」


自分:「へー、そんなことがあったんだぁ、それでさっきから子供が部屋の中ウロチョロしてるんだw」


大工T:「ち、ちょっ!!マジ止めて下さいよ!!怖くて一人で仕事出来なくなりますよ(((゜Д゜;)))ガクブル…」


自分:「そっか君、タクヤ君って言うんだ。うん、そのおじさんに憑いていけばもう心配ないよww」


大工T:「だから止めて下さいってばぁああああっ(号泣)!!!!」


ちなみにそのいわくつきの物件、田舎の中古マンション(築16年)とはいえ間取り3LDKでお値段たったの300万円だったらしい。そこで気づけよ(苦笑)。

事故物件は心理的瑕疵として重要事項説明時に告知義務があるのだが、中には格安で仕入れられるうえに、とぼけて売ってしまえば利幅が大きいので「故意に」告知しない業者もいるので、中古物件をお買い求めの際は心理的瑕疵について業者から担保となる言質を取っておくことをおススメします。

(´Д`)ノ