以前、IT系企業でマネージャー職を務めていた時の職務の一つにWebディレクション業務がありました。
ただでさえITが苦手なうえに、Webの知識なんてないに等しかったですから、一時期猛勉強をしました。
当時は、ホームページとWebサイトの本来的な違いすら、理解できていないレベルでした
HP構築の基本的なプロセスや予算管理、進捗管理、納期管理のやり方を勉強しながらも、SEOやSEM、LPOやSMOの基礎知識についても、なんとか必至に詰め込んで行きました。
ここでちょっと、Web系の知識がない方のために、基本知識をおさらいしてみます。
SEO:
検索エンジン最適化。特定のキーワードで検索エンジンにひっかかりやすくする手法。
SEM:
検索エンジンからサイトへの訪問者を増やすマーケティング手法。SEOより概念は上。
LPO:
Webサイトにおいて、サイト訪問者が最初に訪れるWebページを工夫し、訪問者が会員登録や商品購入など収益につながる何らかの取引を行う割合(コンバージョンレート)を高めること。Webマーケティングの新しい手法。
SMO:
Webサイトのアクセス向上策の一つで、ブログや掲示板(BBS)、SNSといったユーザが情報を発信するCGM系のサイト(ソーシャルメディア)での認知度や評判を高め、
当時まだ診断士受験生(2年目)だったためプライベートな時間はあまり割けない中で、他の職務をしながら専門書から学ぶのは少々非効率だと思っていました。
基本的な概念やセオリーさえ学べれば、あえて難しい言葉で覚える必要はないし、分からないことはプロフェッショナルであるWebデザイナーの彼らに聞けばよいと開き直っていました。
それに、媒体はWebであっても、基本的なところは診断士受験や今までの実務で学んだマーケティング理論と一緒であると認識していましたし。
そこで、「わかりやすい言葉」で説明しているWebサイトを片っ端から閲覧することで、少しずつ情報を蓄えていきました。
そんな時、あるサイトに出会いました。
それが、失敗するホームページ制作 でした。
このサイトのすごいところは、まず、「中小企業バージョン」とサブタイトルにつけることで、ターゲットを絞っているところです。
そして、あらゆる失敗例を見事なぐらいに階層化しています。
まずは大まかに、以下のようにパターン分けしています。
Webデザイナー編、動機・目的編・制作手法編・コスト編・運用編・コミュニケーション編
失敗の原因別に、カテゴライズしているのです。
そして、そこからさらに分類されます。
動機・目的編でいえば、以下の4つに分類されています。
・かっこよくつくる
・社長の「鶴の一声」でつくる
・「これからはWebだ!」とつくる
・成功体験を基にリニューアル
このキャッチコピーの付け方も、上手だなって思います。
サイト構築の知識がない人にも分かるような言葉で、且つサイト構築に少々かかわった人からすれば「あるある」って思わずうなずいてしまうようなキャッチをつけているのです。
そして、これらのキャッチをクリックしてみると、たとえ話をふんだんに盛り込んで、絶妙なストーリー展開がなされています。
・なぜ失敗する?
↓
・このパターンのホームページ制作を実店舗に例えると
↓
・このパターンのホームページ制作で出来上がるホームページは
↓
・このパターンのホームページ制作における筆者の経験から
↓
・このパターンのホームページ制作における成功の鍵は
読み物としておもしろいだけでなく、Webサイト構築に関するタブーまで学べてしまう、素晴らしいコンテンツだと思います。
ただ、ここ何年もゴール地点として設定すべき「成功するホームページ制作」のページが制作中になっていることが非常に残念だとは思いますが…
そして、いつか自分でも、こういったコンテンツをつくりたいなって、思います。
もちろん、得意分野で。
実は、渋々始めたWebディレクション業務でしたが、実際にやってみたらすごく楽しいものでした。
もちろん大規模なポータルサイトの運営になると手には負えませんが、通常のサイト構築・運営であれば、実務と深く絡めながら進めていけるので、非常にやりがいがあるものなのです。
IT業界にいた2年間で、貴重な人脈を形成することができました。
その中にも、今や起業・独立している人間も、何人もいます。
クライアントの要求に応えながらも、30種類のデザインパターンを半日でアップすることができる天才くんや、高いコンバージョン率を維持し続けるサイト構築・運営が得意なキレキレ女子もいます。
いつのことになるか分かりませんが、彼らともいつか一緒に仕事したいなって、思っています。
ティアラ
ティアラ’s twilog: http://twilog.org/tiaramadoka