辜存雄老師との出会い

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2006年の夏、音大に入る直前、最初の二胡の先生のところに遊びに行きました。その最初の先生は、もともと自分の二胡教室を持っていましたが、辜老師の琴行(qín háng、楽器屋)でも二胡講師を務めることになったと言われ、驚きました。先生としてそんなに魅力があったとは!!


先生の新しい仕事場に行くと、なんとそこには二胡の工房もありました。私は二胡の工房にとても興味を持ち、是非見学したくなり、社長の辜老師にお願いして案内していただきました。

辜老師は私のこと(音大の合格者)を聞いて、二胡を聴かせてくださいと言ってくれました。そして、沢山の新作の二胡の試奏を頼まれました。その時に、私はその中の一本の二胡の音色をとても気に入り、即買うことを決めました。その二胡は私の大切な相棒として、大学の全ての試験や演奏で活躍しました。


実は、二胡の工房と言えば蘇州が一番有名です。実家のある江西省に二胡の工房が出来たことに、少し不思議な気持ちを持ちました。そしてそれ以降、辜老師とほとんど連絡を取りませんでした。


大学三年生のある日、辜老師から電話が来て、北京の南六環路にも工房を作ったので、是非遊びに来てくださいと誘われました。

南六環路???とても遠いです。私の大学は北四環路にあります!

でも、休みの日に思い切って行きました。


半日かかってやっと工房に着きました。

辜老師は北京の工房を案内してくださり、そこで初めて整筒(zhěng tǒng、くり抜き)二胡のことを知りました。辜老師は既に整筒二胡の特許を取っていました。

その時から辜老師への印象が少し変わりました。普通の二胡製作者ではなく、二胡の改革者だと判断しました。


私は大学を卒業して、すぐに日本に留学に来ました。あれからあまり辜老師と連絡していませんでした。たまに生徒さんに辜老師の二胡を紹介して、新しい二胡が届いた時には、いつもサプライズがありました。二胡の製作技術は前より進歩していたのです。辜老師自身も「毎日努力して自分の技術を進歩させています。」と言われていました。


今年の6月に、私は2回目の北京の工房に研修に行きました。その時に見せていただいた新しい二胡ですが、また音が素晴らしく進化していてとても驚きました!もう高齢者ですが、さらに勉強して前進していること、心から尊敬します。


ここまでで終わりではなく、辜老師にはまだまだ大いなる理想的計画があります。さらに究極の二胡を求めています。私はそれを応援するべく、自分の全ての力を尽くして辜老師をヘルプしたいと思います。その計画を皆さん是非楽しみにしてください。㊙️


中国の職人と日本の職人の違いは、「初心」です。中国の職人は有名になったら、名前でお金を稼いで、それ以上の品質を求めることがなくなります。日本の職人は有名になっても、相変わらずさらに上の品質を求め努力します。

だから、辜老師は中国の職人っぽくないと思います。まさに「日本の職人」だと思います。


先日、辜老師の工房のスタッフのミスなどの問題があって、私は辜老師に今までの工房の問題点をひどく批判しました。辜老師はきっと怒って、これで辜老師との縁はもう終わりだと思っていたら、辜老師から「いろいろ教えてもらって、ありがとう!僕の工房はこんなにスタッフがいるのに、こんなにたくさんのミスがあって、とても恥ずかしく思います。大変申し訳ない。今後も何かあったらまた教えてください。」と言っていただきました。

私はそのメッセージを見て、怒りが急になくなりました。喧嘩の覚悟をしていましたが、その気持ちはすっかり無くなりました。辜老師の心はとても広い。


私の大学の後輩(前の記事で少し紹介しました)から聞きましたが、辜老師はほかの二胡製作者と違って、よく二胡製作技術の疑問を持ち、私の後輩に聞くということでした。特に批判の意見を大切にして、解決方法を考えています。これは本当に謙虚な姿ですね。中国では「謙虚は人を進歩させる」という話があります。だから、辜老師の二胡はずっと進歩していますね。辜老師はもう「二胡製作大師」の称号を取得していますが、「自分は素晴らしい」、「自分は絶対正しい」と思い込む頑固なおじさんになっていたら、今までの成果は出ないでしょう。


この記事を書いて、私も励みになりました。早速二胡を頑張って練習します。


ps:中国語の単語は時間がある時に書きます。本当に忙しくて、二胡レッスン、DVDチェック、演奏などがあって、なかなか時間がありません。

今日はゆとりのコンサートです。


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