【メルセデスベンツ CLS 試乗】ポルシェが道を譲る…】
軽井沢のワインディングで、前を走っていたポルシェ『911』が道を譲ってくれた。ルームミラーに映る『CLS』の顔付きがそうさせたのだろうか?
大きなスリーポインテッドスターを中央に据えたグリルを低く構え、オールLEDのヘドランプはシャープな眼付き。それが威圧感を与えたとしたら申し訳ない。もう少し車間距離をとって、ポルシェ乗りのプライドに気を遣うべきだった。
6年ぶりにフルチェンジした新型CLS。スタイリングは先代以上にアグレッシブだ。ヘッドランプの後端からリヤに向けて下降する”ドロッピングライン”と、その勢いをせき止めるように張り出したリヤフェンダーが、4ドア・クーペのプロポーションをよりダイナミックに見せる。
とはいえ、524psの直噴V8ツインターボを積む「CLS63AMG」でも、けっして猛々しいクルマではない。ちょいと踏めば低いうなり声と共にパワーが湧き出てくるが、それがもたらすのは「心の余裕」と言うべきだろう。
BlueEFFICIENCYを名乗る「CLS350」は直噴V6。306psだから遅かろうはずもないが、これも乗り手を急き立てるような感覚はない。燃費計の推移から勘案すると100km/h巡航なら13km/リットルは確実で、4000rpm以下の低負荷領域でリーンバーンする効果を実感できる。社会的マナーに優れたエンジンだ。
そんな感想を得てあらためて外観を見ると、内に秘めたキャラクターに対してスタイリングがアグレッシブすぎる、との疑問がよぎる。ダイナミックなフォルムはトレンディだし、メルセデスのなかでCLSはそれを最も表現すべき1台だいうのはわかるが、ちょっとトレンドに乗りすぎた・・のかも。「ポルシェを蹴散らすCLS」なんて、きっと誰も望んでいないはずだからね。
こんにちは。
むぎです。
ポルシェが道を譲ってくれるなんて、すごいですね。
のほほんです。