働くということについて、私(中島)はこう思うんだがどう思う?

というような語り方の印象を受けた。こうすれば成功するとか、こうするべきだというような自己啓発の書きぶりではなかった。

 

特に、なにか理不尽なことが起きると自分を納得させようとして、(自分も含めて)○○が悪いとかという判断をして安心しようとする。その態度を否定して、真摯に受け止めなくてはいけない。というメッセージが印象に残った。(以下引用)

 

割り切ろう、納得しようという衝動をなるべく抑えて、事態を正確に見なければならない。さっきは自分の目標を定めたら、自分の弱点をみんなしょって世間へ船出しよう、と勇ましく言ったが、じつはそれだけでスイスイと進んでゆけるほど世間は甘いものではない。A君にしてもBさんにしても、仕事をし出したときから、理不尽との戦いが始まるだろう。そのとき、自分の自己愛に潰されそうになり、自己防衛にクタクタになるだろう。そのうち、うまく仕事をこなしうまく人間関係をこなす人々に対する嫌悪感が頭をもたげてくるだろう。だが、そういった状態で、いわば苦しんで仕事を続けるからこそ、そこからきみたちは多くのものを学ぶことができる。こうした理不尽な状態を簡単に割り切らずに見据えて、それに苦しむこと、これはたいそう自分を鍛えてくれるのだよ。