万葉集のお清書 | 花月☆そうし

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 ひとつすることが終わらないと他のこともエンジンかからなくなるから、なにもかもしてない。でもしめきりはやってくる。でもぜんぜん練習してないーーーー。やっととりかかり提出してきました。

 こういうの。

 

 これは桂本万葉集というものの臨書です。そう、万葉集だから漢字なのよーー。仮名の数倍書くのに時間がかかるの。一文字一文字漢字がこれでいいのか調べて、一本線をぬかしてるとか(あるらしいわ)があったら正しい行書にするという書き方もあるけれど、間に合わないので、見たとおりに書き写しましょう、ということになりました。

 この桂本という本が最古の万葉集の写本だそうで、11世紀。ということは、万葉集を編纂した人が実際に書いたものは残ってない。で、万葉集を平安時代の人が写本にするときは、だれがいつ作った歌か書いてある行と長歌は漢字のまま、短歌の部分はまず漢字で書いて次に仮名でも同じ歌を書くってしてたのね、桂本見ると。

 

 でさ、小学校か中学か高校の国語の時間に、のちの歌集が技巧的なのに対して万葉集は技巧をこらしてないとか習ったような記憶があり、おそらく万葉集のなかで特に現代人でもわかりやすい歌が国語の教科書には載ってたんだと思う。それ以外、万葉集って読んだことなかったのだけど、ぜんぜんなに言ってるのか分からないじゃん!!!!! 技巧こらしてなくても時代がへだたってると全く分からないのよ。

 興味を持ったことがなかった時代だから、歌を作ってる人のことも全く分からないし。現代語と違って微妙なニュアンスが分からないから、伝記を確認しないとほんとに分からないのよ。中世なら和歌集以外の本も読むことがあるから、歌人の伝記などがそこに載っていたりするのよ。純愛かと思ったらこの人何人妻子がいるんだよー!という場合もあるしさ。君主をたたえた歌かと思ったら、違うよこの主従は男色関係、そうだった、この時代については往年の少女漫画ファンの妄想読みしたほうが史実だった、とか。一応現代語(近代大阪語)訳だけは買ったのだけど、分からないまま提出締め切りが来てしまって。

 

 なに言ってるのかわからなし、漢字(万葉仮名)だからぜんぜん読めない、そのうえひとつの歌が長いし。だから、書いてるときうっかり一行抜かしてしまって、書き直す。でもって紙が、高価なの。手作りで絵も入ってるから。ひいーって感じでした。

(昨年まで書いていた中務集と一条摂政集は、俊成定家父子が実用のために持っていた本なので簡素な紙に書いてあり、それを稽古するための現代の和紙もあまりお値段はらなかったの)

 でも、先生に書きなさいって勧められたわけではなく、自分がこの人の字を好きだと思って数年前の古本祭りのときに手本を買っておいたのだしね。

 

 これは以前の仕事。絵は著者の先生がこれを使ってと用意してくださった。

 「万葉集」という字を桂本万葉集から採ってるの。小さい鳥さんが葉の字のあたりとカバー裏にいるの見えるかしら? 鳥さんも桂本万葉集の料紙の絵から採ってる。これは筆で描いたのじゃなく、パソコンソフトで字も絵も描いたのよ。

 

 次は私的にはいけばなのほうの事務仕事、仕事で読む原稿も週末あって、2つ終わらせて、しなきゃと思ってたことにもとりかからねば。