今日は月末でもあり年度末。
出会いと別れが交錯する季節。
出会いがあるから別れがあるんです。
別れがあるから出会いがあるんです。
今日は恋の話ではありません。
この時期に、休みで腐るほど時間があるし、しっぽりと我が人生を振り返ってみたいと思いました。
富蔵は大学を卒業するまで決定的な「挫折」を味わった事が無い幸せ者であり不幸者でした。
好きな女の子に口から心臓が出るほど緊張しながら告白し、玉砕した事は決定的な「挫折」には含まれません。
富蔵は幼少の頃、プロ野球選手でもサッカー選手でもなく鉄道運転士に憧れ、自分は絶対に○○線の運転士になるんだ!と小学校の卒業アルバムに書いています。
中学生になり、音楽に目覚めるとギターを始め、ギタリストになりたいと思うようになりました。三年生になり、進路を決める頃になると、やはり鉄道職に進みたいと思い、昭和鉄道高等学校や岩倉高等学校など、鉄道マンを多く輩出している高校へ進学しようと考えつつも結局、普通高校に進学しました。
高校へ進学すると、その長年見続けた夢は嘘のように忘れ、政治・経済の授業で政経に興味を持ち、進学する事に目標を定め、大学へと進学しました。
大学生も後半になり、就職活動を始めると、やはり鉄道マンに憧れ、今思えば何をやっていたのだろう?と思いますが、鉄道会社のみを受験し続けては玉砕の連続でした。卒業間近に受けた会社は、あと一歩で内定…というところで不採用となり、そこで人生初の挫折感を味わったのです。
内定を貰えると信じていた会社からの不採用通知が速達で届き、布団の中で泣きました。ご飯も食べれないほどに…。
そして、数々のアルバイトをしては長続きせず、すぐに辞めてしまう連続で人生の敗北者であると思い続けた日々…。正直、苦しかったでした。
昼間に寝て夜中起きる生活…。
仕事をせずに、何とかしなきゃと思う焦燥感。
自分は人生の負け組だと自ら非難し劣等感。
心から愛し、この手で幸せにしたいと思える彼女との将来を考えつつも、ニートやフリーターでい続ける罪の意識。
自分の好きな事を仕事にする難しさ…。
夢を実現出来る人はほんの一握り…。
分かっているのに諦めきれなかった。
車やバイクには興味を持たず18歳で普通免許は取得しませんでした。
でも、免許を取得し、車を運転すると、その楽しさにドップリと浸かってしまいました。
本当に色々な所に行きました。
下道のみで大阪・神戸に行ったりとか…。
大学を卒業する頃から少しづつ興味を持った仕事がバスの運転士。
普通免許から受けさせてもらえる会社を受けても不採用の連続。
運輸職が必要とする適性を持ち合わせていない自分を恨みました。
ある時、気付けば、本気でバス運転士になりたいと思っていたのです。
鉄道の運転士になりたかった気持ちを上回るほどの熱い想いで。
時給が良いだけで選んだゴルフ場のアルバイトでお金を貯めて合宿で大型免許を取りに秋田へ行きました。
大型一種を取得し、会社を受けても不採用の連続…。
そんなこんなで人生の転機となる仕事に出合ったのです。
それは前職のレンタカーです。
今までこの職種に気付けなかった自分を悔やみました。
派遣社員という雇用形態で働いていました。
様々な車に乗れ、様々な交通機関で移動し、天職に出合えました。
その様々なで交通機関で移動している時にバスにもよく乗り、バス運転士を見ているうちに、ますます想いは強くなりました。
「こんな大きな車を操れるなんて凄いしカッコイイなぁ」とか「俺は何でこんなに就きたい仕事なのに面倒くさそうにやっているんだろう?」とか「怖そうな人ばっかりだなぁ」とか思ってました(笑)。
話が前後するようですが、レンタカーの仕事は大変でもあり、正直、嫌になる事もありましたが、好きこそ何とかではありませんが、社会保険等もありましたし、このままずっと続けてもいいな!とさえ思っていました。
でも、やっぱりバス運転士は諦められなかったのです。
これを最後のチャンスとしよう!これでダメだったら諦めてきちんと正社員で何処かで嫌な仕事でも我慢してしよう!いや、しなきゃ!と思いながら今の会社を受けました。
会社説明会・一次面接・筆記試験・二次面接・一時適性検査・実技試験・三次面接(役員)・二次適性検査・健康診断(順番はあんまり関係ありません)と選考を重ね、やっとの事で内定を貰えました。
今の会社は会社説明会に参加した時に他の会社には無かった会社の意気込みや自分の意見と合致する点が非常に多く、本気で行きたい会社でした。
そして現在…
自分が心から入社したいと思った会社に、まがりなりにも、バス運転士として採用してもらえ、「俺は多くの人命を預かっているんだ」と背中に何とも言えぬ責任感を感じながら大きなハンドルを握っています。
仕事中に常にそんな気持ちを持ち続ける事はさすがにありませんが、ある瞬間、車内ミラーを見ると…人が乗っているわけですよ(当たり前だけど)。動いているわけですよ。強い制動をかければ、よろける
。思い通りに運行出来ずに自分がイライラすれば態度にも出てお客様にも伝わり、嫌な思いをさせることでしょう。
運んでいるのは物言わぬ物ではなく、生身の人間。命のある人間。感情を持つ人間。その責任感は極めて重いです。
ミラー越しに制帽を被り制服を来てハンドルを握る自分を見て、たくさんのお客様を見たり、終点で車内から吐き出されるように出ていく大勢のお客様を見ると…「ここまでこれだけの大勢の人を自分が運んだんだ」と、今でもたまに泣きそうになっちゃう時があります。
まだ、自分がバスの運転士をしている事が信じられなくなる時があります。
長い長い夢でも見てるんじゃないかと。
大袈裟でも嘘でもなく。
そんな感情をこれから先いつまでも持ち続けることが出来たら、やっと本当の幸せ者になれると思います。
終点はまだまだ先です。
以上!今日の授業は終わり!(笑)