ピンク・フロイド、20年ぶりの新作。そして、ギタリストのデイヴ・ギルモアは、これがピンク・フロイドにとって最後のアルバムであることを公言している。
60年代、70年代に一世を風靡した英米のロックミュージシャンは、21世紀に自分達が音楽活動を行っていることを、はたして予測していたであろうか。
本来は「若者の音楽」であったはずのロックも、クラシックやジャズと同じように、それなりの歴史を重ね、今では「70代のロックミュージシャン」という、30年前だったら、ほとんど冗談にしかならなかったようなことが、現実になってしまった。
それら老いたロッカー達が歌う「若者の音楽」は、ひとつ間違えるとギャグになりかねないギリギリのラインに存在し、正直、自分は年老いたロックミュージシャンの歌うロックに対して、どう距離感をつかんだらいいのかわからなくなるときがある。
現在、73歳のボブ・ディランが歌う「フォーエバー・ヤング」、同じく70歳のミック・ジャガーの歌う「サティスファクション」、65歳のブルース・スプリングスティーンの歌う「明日なき暴走」、一体、それは何なのだろうか。
ピンク・フロイドが、これまでに創りあげてきたサウンドは、ディランやストーンズのようなものとは、いささか趣が異なるが、今回の新作を聴いてみて、これはこれで「老いたロック」の正しい在り方のように思えてくる。
大仰で、何かともったいぶっていて、そして深読みすればどこまでも深読み出来てしまう音。基本的には昔と何も変わっていない。
まるで、若い奴は無理して聴かなくてもいいと言っているような音楽だ。これぞ「老いたロック」の正しい姿か。
そして、これらの音は、20年前にリリースされた「対(TSUI)」のレコーディングセッションから、未使用のパーツのみを集めてつくられたということだが、数年前に他界したリック・ライトのキーボードの音も、全編に渡って聴くことが出来る。
ある意味、この作品はリック・ライトの遺作ともいえるが、それにしてもテクノロジーの進化というのは、おそろしいもので、音だけ聴いていると、とてもこれが20年以上も前に録音されたものだとは思えない。
そして、何よりもアルバム全体を包み込む、まさにピンク・フロイドとしか言い様のない、音の質感、肌触りが素晴らしい。
つまり、これがすべてであって、たとえ、今のピンク・フロイドが名前だけのものであったとしても、「THE ENDLESS RIVER」は、ここに収録された音楽が、ピンク・フロイドであることを証明している。
また、ピンク・フロイドほど、日本語の邦題の似合うバンドもいなかった。
今回も、これまでの伝統を継承するかのように「永遠(TOWA)」という仰々しい邦題がつけられているのが、嬉しい。
それにしても、まさかピンク・フロイドのニューアルバムを、2014年に聴くことになるとは思わなかったな。
60年代、70年代に一世を風靡した英米のロックミュージシャンは、21世紀に自分達が音楽活動を行っていることを、はたして予測していたであろうか。
本来は「若者の音楽」であったはずのロックも、クラシックやジャズと同じように、それなりの歴史を重ね、今では「70代のロックミュージシャン」という、30年前だったら、ほとんど冗談にしかならなかったようなことが、現実になってしまった。
それら老いたロッカー達が歌う「若者の音楽」は、ひとつ間違えるとギャグになりかねないギリギリのラインに存在し、正直、自分は年老いたロックミュージシャンの歌うロックに対して、どう距離感をつかんだらいいのかわからなくなるときがある。
現在、73歳のボブ・ディランが歌う「フォーエバー・ヤング」、同じく70歳のミック・ジャガーの歌う「サティスファクション」、65歳のブルース・スプリングスティーンの歌う「明日なき暴走」、一体、それは何なのだろうか。
ピンク・フロイドが、これまでに創りあげてきたサウンドは、ディランやストーンズのようなものとは、いささか趣が異なるが、今回の新作を聴いてみて、これはこれで「老いたロック」の正しい在り方のように思えてくる。
大仰で、何かともったいぶっていて、そして深読みすればどこまでも深読み出来てしまう音。基本的には昔と何も変わっていない。
まるで、若い奴は無理して聴かなくてもいいと言っているような音楽だ。これぞ「老いたロック」の正しい姿か。
そして、これらの音は、20年前にリリースされた「対(TSUI)」のレコーディングセッションから、未使用のパーツのみを集めてつくられたということだが、数年前に他界したリック・ライトのキーボードの音も、全編に渡って聴くことが出来る。
ある意味、この作品はリック・ライトの遺作ともいえるが、それにしてもテクノロジーの進化というのは、おそろしいもので、音だけ聴いていると、とてもこれが20年以上も前に録音されたものだとは思えない。
そして、何よりもアルバム全体を包み込む、まさにピンク・フロイドとしか言い様のない、音の質感、肌触りが素晴らしい。
つまり、これがすべてであって、たとえ、今のピンク・フロイドが名前だけのものであったとしても、「THE ENDLESS RIVER」は、ここに収録された音楽が、ピンク・フロイドであることを証明している。
また、ピンク・フロイドほど、日本語の邦題の似合うバンドもいなかった。
今回も、これまでの伝統を継承するかのように「永遠(TOWA)」という仰々しい邦題がつけられているのが、嬉しい。
それにしても、まさかピンク・フロイドのニューアルバムを、2014年に聴くことになるとは思わなかったな。