企業理念とは企業の存在価値を言語概念化し、体系化すること。 



 企業理念は、理念と言われているように、やはり倫理に沿ったものでなくてはならず、また、倫理的な裏付けと根拠があることが重要である。

明らかに反社会的な内容であったり、世間の規範を壊すようなものでは、従業員のモチベーションも上がらないし、社会の信用を得ることはできない。

さらに、理念には、現実的で説得力のあることが求められる。その詳細は以下の3点である。


まず最初は、現場ですぐ使え、リアリティであることで、これは、極端に現実離れしたものは、従業員を引きつけることが難しくなってしまうため、かえってマイナスになってしまうということである。

2つ目は、汎用性があることで、単独で見た際にあまりに利己的であってはならず、一方で独善的偽善的であってはならず世間で通用する内容でなければいけない。

そして最後は、一定の個性とインパクトがあることで、社内外の人間が、驚き、感銘するような要素が含まれている表現も企業理念確立の技術的なポイントになる。


企業理念を確立する際に大事なこと。


企業理念とは企業の究極の目的、又は究極の存在価値を言語概念化し、それを理念体系化して経営方針、行動基準まで落とし込んでいくことです。

残念ながら少し前になりますが、誰もが知っている某大企業の子会社さんにお邪魔しましたが、ホールディングス会社さんも子会社さんも企業の目的は語らず、顧客第一主義までしか掲げることが出来ておられない。

大変寂しく貧しい内容。

もちろん、とってつけたような美辞麗句である必要はないけれども、少なくともその企業が社会に存在する意義は書かねば企業理念とは言えない。


顧客第一主義の後には、あくまで企業理念を実現する手段である経営の方針のような耳障りの良い文言を並べていらっしゃる。

残念です。

思想的な背景が希薄で空々しい。どこかコンサルティング会社がこれを指導されたとしたら、私からしたら犯罪行為に等しい。


企業理念には、企業としての目的と存在価値を示すために、その企業独自の思想と事業の概念が集約されていなければならない。

例えば、不動産会社の企業理念であれば、不動産会社のどこに持っていっても使える理念ではだめだし、同様建設会社どこに持っていっても使える建設会社の理念、食品メーカーどこに持っていっても使える理念は企業理念では言えない。建前のきれい事を包括しようとするとこうなる。

見た瞬間にわかるので非常に苦々しい。どの業種でもあてはまるような理念も理念とは言えない代物。

そんな幼稚な稚拙な代物を掲げてしまっている企業さんは、やはり見る人が見れば、お金は儲かっているかもしれないけれどもいかにもチープで永続性が感じられない企業と映るはずだ。

もちろん、理念や経営活動の美意識ををキャッチフレーズ的にコーポレートスローガンに落とし込んで、「合言葉」にするのは素晴らしいことである。

スローガンに関してはそのあたりは幾分緩くなるが、企業理念はあくまでも思想も事業的な概念

~何を売っているかではなくどんな事業を通じて世の中に貢献しているか~

をまず念頭に入れた上で、究極の言語概念化を行わねばならない。

 

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