ジークフリートの質問8(ミクシー内転載記事01) | 萬日記 ガラクタ部屋とも云う

ジークフリートの質問8(ミクシー内転載記事01)

クエスチョン


シュトゥットガルトの「ジークフリート」を観ました。
大蛇(ファフナー)がジークフリートと同じ格好で登場すしますが、彼らは同じTシャツを着て、胸のところに書かれた「Sieg Fried」の文字が、大蛇のTシャツはさかさまになっいて、つまり、二人はある種の鏡像のようになっていました。


これは、どういうことなのでしょうか。


アンサー


「ミネルヴァの梟は黄昏に飛び立つ」と言う言葉があります。
(ドイツの哲学者ヘーゲルの著書「法律哲学」の序文にあります)

 知の女神ミネルヴァ(アテナ)の使者であるフクロウ。すべてを認識するようなフクロウは黄昏、つまりひとつのものが完成し、没落しはじめるときに飛び立つんだ、というような意味です。
 
 が

早い話、今わの際に智慧がつく ということです(意訳し過ぎ?)


ファフナーは己の慢心の驕りからジークフリートに倒され、その時漸く賢くなる訳です。

Siegfried 26

>ファフナー
>今日、お前が仆した大蛇が誰であったかを知れ!
大地を支配した巨人族、ファゾルトとファフナーがいたが、
今日を以って二人とも斃れた。

昔、神々が支払った呪われし黄金をめぐって、
儂は兄者を殺し、この森に大蛇と成ってその宝を守っていたのだ。

その最期の巨人族である儂を今日英雄と成るお前が倒したのだ。

よく見よ、よく聴け、そして良く考えよ。
指環を持つ者は常に策略に曝されている。
何も知らないお前を此処に差し向けた奴がお前の死を狙っている。

注意を払え!
儂の忠告を心に留めよ!



>ジークフリート
>凶暴なお前は死に際になって急に賢くなったようだ。

というジー君のコメント付きで。


ジー君はファフナーと全く同じで自分の慢心故にハーゲンに倒されるわけです。(基本的には忠告は全く無視されるのが指環を持つ者のデフォルト仕様という事で、当然ファフナーの忠告なんか聞いちゃいねーわな・・・)


Siegfried 29  
Siegfried 30


もっともファフナーは死ぬ直前例の三者会談の時、ヴォータンとアルベリヒの忠告は彼の(指環の力によると思われる)驕り昂ぶりが在る以上聞き入れられません。




Siegfried 31

そしてジークフリートも死ぬ直前ラインの乙女達の忠告も彼の(指環の力によると思われる)驕り昂ぶりが在る以上聞き入れられません。

 
Siegfried 28

しかも駄目押しというかジークフリートは鴉という空を飛ぶ存在によって警告まで受けていたりします。(鳥系統だったら言う事を聞き入れるかなというヴォータンの幽かな願いも空しく・・・・)



Siegfried 32 ラインの黄金第四場

(唯一忠告を聴いたのはヴォータン。エルダの懇願にて漸くですが・・・・)



Siegfried 27


 そして「神々の黄昏」第三幕第二場で、ジー君は死の際にブリュン姫の愛を裏切った重大な罪を犯した事を悟り、賢くなるわけです。

二人とも総ては遅まきに過ぎ、滅んでしまいます。

つまりファフナーの死はジークフリートの死の雛型とも考えられそうです。


指環の場合実にフラクタルな事象が結構重なりこれが又文学的深みも相まってライトモチーフも意味深げに配置されたりして本当に面白いです。