唐突ですが、私には、一人、大切な後輩が居ます。
便宜上、ここではKと呼びます。
Kは小学校・中学校の後輩で、初めて会ったのは雨の日でした。
確かその時、私は小学4年生でKは小学3年生。
知り合った理由はよく覚えていませんが、傘が関係していたと思います。懐かしいな……。
家が近所だったのでよく一緒に下校していたのですが、別に付き合っていたわけでもなく、気の合う友人と表現するのが最も相応しい、そんな間柄でした。
中学3年の初夏。
体育祭の後で、私はKに告白されました。
よく言う「友達以上、恋人未満」といった微妙な距離感を好んでいた私は、突然の告白に物凄く戸惑いました。
結局、私は断りました。
その時私には好きな人がいて(今は違いますが)、仮にKと付き合ったとしてもきっと中途半端になってしまう。
それは、Kに対してとても失礼なことだと思ったのです。
しかし、ここで私は失敗を犯してしまいました。
Kは勇気を出して告白しました。
そうであるならば、対する私も、しっかりと断る旨を伝えなければならない。
ですが、緊張しいで尚且つ良い恰好しいの私は、しっかりと断ることもせず、二、三の言い訳を残して、逃げ帰ってしまったのです。
1年後。高校に入学した私は、クラスメイトのCと付き合うことになりました。
頭は良く、見た目は大人しく、でも実際は明るい子で、そして可愛い。
Cは、当時の私の理想の女の子でした。
しかし、私はまたしても失敗するのです。
夏休み中に起こったとある事件がきっかけで、Cは精神的なショックを受けます。
その後、Cの友達が私にメールをし、Cを励ますように頼んできました。
そのメールを受け取ったのは午後3時。
私は実家から埼玉に戻る車の中で寝ていました。
着メロで目を覚まし、起き抜けの状態でメールを確認。
そして、再び夢の中へ。
メールの件はすっかり忘れてしまっていました。
今となってはただの言い訳にしかなりませんが、当時私は生徒会活動で忙しく、また、部活に対する不満もあり、自分の事しか頭に無かったのです。
勉強も、作詞も、全てを放棄していました。
勿論、メールを返すことも例外ではありませんでした。
Cを励ますこと無く、高校最初の夏休みは幕を閉じます。
2学期。Cとその友達が、私を責め立てます。
莫迦な私は、言い訳と虚構を並べ、重ね、積み上げて、2人の怒りを受け流し続けました。
11月。長い長い言い争いに終止符を打ったのは、Cからのメールでした。
「……負け犬。」
それは、Cからもらった全てのメールの中で、唯一絵文字の無いメールでした。 (つづく。)