魂食/ソウルフード =017= &“いびる”のカレンダー  | 古都、老翁(壷公)がいた 翁は大壺を持ち 毎夕刻 壺に躍り入る              傾国に翁が世辞を語る/【壺公慷慨】

古都、老翁(壷公)がいた 翁は大壺を持ち 毎夕刻 壺に躍り入る              傾国に翁が世辞を語る/【壺公慷慨】

 媚薬を売る壺公仙人(涯 如水)が愚考・独行・栴檀の日々 それ 快適にして快活   愚考する諸々に呵呵大笑  日々之好石碑 
 放浪生活は人生の過半に及び  齢七十歳を迎えるも  デラシネ(根無し草)の彷徨から次なる世界に・・・・・ 涯 如水

今日は何の日Date of Evil / “いびる”のカレンダー=11月26日= ≫

● 11月26日の誕生花はペチュニア、花言葉は「決して諦めない」。決してカサブランカではない。君の瞳にカンパイ!!

 

〇 明治天皇が江戸城に入る。名称を東京城と改めて皇居とする(1868年)。以来、田舎の町が帝都となり、江戸っ子は地方よりなだれ込んだ渡来人に飲み込まれて行った。

 

〇 お湯をかけて3分間で写真ができるインスタントカメラが発売(1948年)。

 

〇 国鉄がこの日より8日間全線運休、しかしトラックだの私鉄だの自家用車だのの代替手段で用が足せてしまう現実を見せつけられ、結果的に国鉄の地位低下を咋にする結果に(1975年)。

 

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☆彡 【連載】世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅 彡☆

★ 第6回 メキシコ、追憶のチョコソース 中節=2/3= ★

 

 

   「モレですね」 とチューチョさんはメキシコのソウルフードを断言する。  なんでしょう、ソレ。 名前からはまったく想像できません。   詳しく聞くと、チョコレートを使ったソースのことで、転じてそのソースをかけた料理をモレと呼ぶのだそう。 

 

   「一番好きなのは鶏肉のモレ」とチューチョさんは言うけれど、鶏肉のチョコがけって……。

 

  怪訝な顔をしていると、奥さまで店のオーナーシェフ・滝沢久美さんが「モレ」を出してくれた。  焼いた鶏肉にたっぷりとかかっているソース、色は確かにチョコレートだ。  しかし、ほんのりと甘さが漂うものの、スパイスのような刺激的な香りも感じられる。 そっとなめてみる。最初に舌が受け止めたのはピリッとした辛み。

 

   その意外性に驚いているとチョコの風味がやってきて、やがて深いコクへと変わる。甘みも苦みもうまく混ざり合っていてすごくまろやか。 見た目は素朴なのに、なんて味の豊かなソースなんだろう……。  

 

   モレを味わう表情がよほどニンマリしていたのだろう、久美さんが笑いながら説明する。  「モレはチョコレートにいろいろな素材を混ぜて作るんです。 唐辛子やニンニク、玉ネギ、クルミ・アーモンドといったナッツ、クミンなどのスパイスと、種類や分量はお店、家庭ごとに違うから、店の数、家の数だけレシピがあることになります」  鶏肉にはほとんど味がついていない。

 

  テピートでは皮がパリッとするので焼いているが、茹でるだけという場合が多いそうだ。  でも、きっとそれでいいんだ。 シンプルだからこそ肉のうま味がモレと見事に絡み合う。  主役は肉ではなく、あくまでモレなのだろう。

 

  「モレは首都・メキシコシティの南東約120kmのところにあるプエブラという町で生まれました。 プエブラは私の祖母の出身地で、モレは祖母、曾祖母と代々受け継がれてきたんです」。  鶏肉のモレをほおばっているとチューチョさんが、モレについての思いを語ってくれた。

 

 

※ モーレ(モレ)の種類 : モーレ・ポブラーノ = メキシコのプエブラ州がその名の由来であるモーレ・ポブラーノ(mole poblano、プエブラのモーレ)は、メキシコ料理で一般的なソースであり、アメリカ合衆国で「モーレ」といえばこのソースを意味する。

   モーレ・ポブラーノは、唐辛子(通常、ポブラーノ (Poblano) 、パシーヤ (Pasilla) 、ムラート (Mulato) 、チポトレ)、挽いたナッツまたは種子(アーモンド、ピーナッツ、ゴマの種子)、香辛料、メキシコ産チョコレート(カカオ粉に砂糖、シナモン、場合によりナッツを混ぜたもの)、塩、および焼いたアボカドの葉、タマネギ、ニンニクなど様々な他の材料で作る。

   挽いたオレガノのような乾燥させた調味料も使われる。また、ソースにとろみを付けるため、トルティーヤ、パン粉やクラッカー、マリー・ビスケット (Marie biscuit) などを混ぜる。最後に茹でた鶏肉やシチメンチョウを軽く煮込んで仕上げる。

 

モーレ・デ・カカワテ = モーレ・デ・カカワテ(mole de cacahuate、「落花生のモーレ」)は挽いたピーナッツとトウガラシで作り、鶏肉を煮込む。

 

モーレ・ベルデ = モーレ・ベルデ(mole verde、「緑のモーレ」)は、ロメインレタス(立ちレタス)、シラントロ(コリアンダーの葉)、エパソーテ(アリタソウ)、パセリ、トマティーヨ、青唐辛子などで緑色に仕上げたソースである。

  モーレ・ベルデ・デ・ペピータ(mole verde de pepita)には炒ったカボチャの種が、モーレ・ベルデ・デ・カカワテ(mole verde de cacahuate)にはピーナッツが入る。ソースが出来上がったらアヒルの肉や豚肉を煮込んで仕上げる。

 

モーレ・ネグロ = オアハカ州のモーレ・ネグロ(mole negro、「黒いモーレ」)は、チレ(チルワクレまたはワヒーヨ (Guajillo chili) 、パシーヤ、ムラート)を種と果肉に分け、種は黒くなるまで炒ってから火であぶったトマト、クローブ、オールスパイス、タイム、マジョラム、オレガノと合わせ、別々にラードで炒めた胡麻・アーモンド・ピーナッツ・シナモン・レーズン・タマネギ・ニンニク・トトポス・パン・プランテーンを加えてミキサーにかけ、これをラードで炒める。

  チレの果肉は火であぶってから湯につけてもどし、ミキサーにかけてソースに加え、さらに煮込む。最後にメキシコ産チョコレートと鶏のゆで汁を加えて煮込み、塩ゆでした鶏肉を混ぜて完成となる。

 

 

※ 調理法 : モーレの調理法は様々であるが、一般的な調理法では、材料の乾燥した唐辛子、刻んだタマネギと一片のニンニクを油で軽く炒める。 乾燥唐辛子を加えて煮た鶏肉の煮汁と残りの材料をミキサーで混ぜ、大きな鍋に移し、とろ火から中火にかけてソースを混ぜ続ける。

   家電製品が普及する以前は、マノ(すり棒)とメタテ(石皿)でソースの材料をすりつぶしていた。 鶏肉の煮汁と共にパン粉やクラッカー、トルティーヤ、マリービスケットをミキサーに入れ鍋に加える場合もある。 モーレを家庭で簡単に調理するための製品が小売店やスーパーマーケットで売られている。

    ペーストまたは粉末で、色は材料により濃い黒から緑色、黄色の場合もある。現代のスーパーマーケットや雑貨店では、モーレは缶入り、瓶入り、または水やブイヨンで溶く固形で販売される。

 

   グアテマラでもソースで煮込んだ肉料理をモーレと呼ぶが、「プラタノス・エン・モーレ」(plátanos en mole)というとチョコレート、トマト、トマティーヨ、レーズン、シナモン、パン粉、砂糖で甘いソースを作り、揚げたプランテン(料理用バナナ)の厚切りを加えて煮込んだデザートを指す。 エンチラーダを作る際にサルサの代わりにモーレをトルティーヤにからめると、エンモラーダ(enmolada)となる。

 

・・・・・・・・つづく

 

・-・-・-・-・-・-・-・-・ 涯 如水 / Vagrant Suntana  ・-・-・-・-・-・-・-

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