緊急事態宣言が解除され、都内の体育館にもじょじょに活動再開の兆しが見え始めていた。チームは今回、人数制限の大会ルールに沿って、約2年ぶり復帰となるオザワさんを含めた上限7人で試合に挑んだ。
第一試合、前半戦は両チームともに様子見が続く。唯一スコアを支配したのは膝の怪我を抱えながらも参加したシンだった。攻守ともにスピードをいかして相手を揺さぶり、存在感を示した。
しかしチーム全体にカタさが残り、初戦は黒星スタート。ここでまさかのシンが早退、チームの平均年齢は38歳に跳ね上がった。がんばれおじさんチーム。
第二、第三試合、あいつぐ直樹のファンブル、ゆっくんのセンターつぶしもあってなかなかエンジンのかからないおじさんチーム。なんとか挽回を図ろうとするなか、オザワさんが狼煙をあげる。敵も味方も引きつけするどいビハインドパス。マジックジョンソンかジェイソンウィリアムスばりのパスセンスはその後も破壊力を示すこととなる。
オザワさんのパス、ゆっくんのアタックからじょじょにスコアを伸ばし、チームの強みである速攻が数本決まり、三試合目には目標としていた一勝を掴むことに成功する。
第四試合、若さで勝る相手のオフェンスをなんとかチームディフェンスで阻止。毎度、大会後半の強さは経験値によるものか、それとも相手チームへの黄色い声援への怒りか、初戦とは見違えるほどのチーム力で発揮し最終戦も見事勝利する。
ここでもオザワさんのキレッキレのアシストパスが炸裂するが、真面目に人数制限を守ったおじさんチームのベンチにはポツンと疲れたおじさんが座るのみ、黄色い声援は無いが気持ちのこもったハイタッチで勝利を決めた仲間の功績をたたえた。






