大会申し込み時点で主催側から1本の電話。「中村リョータさんが出るなら受付できません。」上等でございます。
大会前に練習試合を行ったうえで、KCオーガナイズによって以下の作戦が提案された。①フリーをのぞいてロングシュートを禁止する②まずはガード陣の速攻を狙う③セットオフェンスはセンター陣でアタック④交代はコート内選手が交代者を指名して行う 以上。作戦は成功。史上初となる初戦から圧倒的大差で快勝する。チーム数が多いためリーグ内の順位は少ない試合数で決まる今大会。二試合目も勝ち以上にクオリティが求められる中、かつてない安定感でそれぞれの持ち味が発揮され決勝にコマを進める。
決勝戦、僅差の攻防の末にアベレージを抱えたまま後半を迎える。ガード陣はインサイドのチャンスを探り、アタック場面ではファールをもらう。フリースローでジワジワと得点し、遂に逆転の場面。まさかのバイオレーションでクリスのフリースローはノーカウント判定。決勝後半残り30秒同点、ゆっくん執念のリバウンドから最後のアタックチャンスに。ナオキはゆっくんのインサイドを選択するもディフェンスが寄り外へ、これまでのゲームであれば即シュートとなるが、逆サイドのKCへ。ラスト5秒、アタックムーブに入ったKCへコート内全ての人間が意識を奪われた瞬間、ゴール下でフリーになったクリスへこの日最高のパスが放たれる。残り数秒、2本のフリースローで試合を決めたクリスはチームに勝利をもたらし、メンバーからは出産と誕生日の祝福を受けた。

