賽は投げられた!
 
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二律背反と自己矛盾

シナリオを組み上げていくとき、私が重要と思うのが、【二律背反】、あるいは【自己犠牲】といった要素です。前回の例では、「助けるべきヒロインに刃を向ける」とか「時間操者である魔王を倒せば元の時代に還れないかもしれない」とかの例です。「仲間を助けるには、誰か一人が犠牲にならねばならない」というシチュエーションなどは、端的ですね。


こうしたシーン/シチュエーションは、PL(PC)に深い葛藤を呼び起こし、シナリオに深みをもたらしてくれます…GMが何もしなくても、PLが勝手に。


このとき重要なことは、相反する二つの要素、それぞれを選択する余地があることが重要です。どちらをとっても、それなりの結果がもたらされる必要があるのです。そして、その選択が相反する二つの結果を導くことになります。でなければ、PL(或いはPC)が選択に苦悩することもなくなってしまうでしょう。出来る限り、PC自身に悩んでもらえるようにすることが大事です。


PC自身の命と引き換えに何かを守る―現実世界であればかなりの葛藤が期待できるシチュエーションですが、実はこれ、余り有効とはいえないケースがあります。キャラクターに共感していないタイプのプレイヤーだと、比較的軽々しく命を擲ってしまうケースがあるからです。そうでなくても、流石に現実世界と同等というわけにはいかないでしょう。


そこで、自分自身はどうにか大丈夫だけど、守るべきもの(物、者)が失われてしまう、自分を始めまわりの人間が被害を致命的な被害をこうむる、等々、自分以外がどうにかなってしまうというシチュエーションを提示し、より深く悩んでもらうように仕向けます。また、どちらの道を選んでも、ある程度の茨道であるというのもよく使う手です。


ざっと例でも挙げてみましょう。

・敵に体を乗っ取られている。敵を倒せば、助けるべき相手も死ぬ
・病人は二人、薬は一人分。類似ケースで、食料は3人日分、人数は5人、補給は3日後
・敵の本拠に攻め込んだが、その間味方の陣営が手薄になり逆に本拠を落とされる
・敵方隠密の立場だが、その正体を明かせ仲間を救える。しかし、正体を明かせば敵と知れる
・任務と人情との葛藤

あと、少し変形ですが、PCとしては正しいと思うだろうけれどもPLとしては得心できないというシチュエーションも在り得ます。こうしたときに、どちらを優先させるのか。


RPGはCRPGとは違い、リセットしてやり直すわけには行きません。「今のなし」といった「待った」も効かないのです。それがRPGの醍醐味でもありますので、有効活用しない手はありません。
また、こうした二律背反をPL/PCに提示してやることによって、シナリオがGMから提示される一本調子のものではなく、PCのアクションによって結末すらも変動する要素を持つものになり、幅が増します。勿論、GMにとってこれは不可になりえる訳ですが、どっちの選択をPCが取っても大丈夫なように準備しておけば大丈夫でしょう。無数の選択肢があるわけではないのですから。


こうした二律背反は、現実・非現実を問わず、精神にストレスをかけます。何れの選択肢も、ある程度の悔恨の念を伴うことが多いからです。感情移入しやすい、また移入の程度が深いPLの場合、RPGの中での二律背反に、現実世界のそれと同じように苦しんでしまうことが稀にあります。それはそれで、セッションとして、GMとしては大歓迎にして大成功、喜ぶべきことなのですが、最悪の場合、PLの心に傷を残してしまうことにもなりかねません。

二律背反の出し所は慎重に、また相手を見て、多用することのないように、注意しましょう。


柊流シナリオの作り方(その3)

さて、これまで2回に渡って書いてきたシナリオ作成方法は、時間のないとき、またネタに困ってしまったときにやる方法でした。


では、少し時間に余裕のある場合、つまりは通常のシナリオ作成方法(の一つ)を少し書いてみたいと思います。最初から最後まで書くと長々となってしまいますので、ストーリーの作り方がメインになろうかと思いますが。

あくまで私流ですので、他の方がどうやっているのかは分かりませんし、同じ方法が他の方でもやりやすいかは、分かりませんので、その辺りはご了解ください。

何か参考になれば、よろしいのですが。


基本的に、シナリオフックと称するアイデアの取っ掛かりを作り、それを膨らませることでストーリーに育てていくという手法をとります。ストーリーや話の流れを思いつくことも稀にありますが、殆どは前述の方法です。


(1)シナリオフックを考える1【シーンからの想起】


映画や小説に触発されて、ということが多いのですが、ある特定のシーン演出や台詞が心に残ったり、またはふと思いつくことがあります。それを取っ掛かりに、シナリオを構築していきます。思いついたシーンに演出を持っていくためにはどうするのか、その台詞をNPCに(あるいはPCに)言わせるためにはどうすれば良いかを逆算してシナリオを作っていくわけです。


…分かりにくいですね。


実例を挙げてみましょう。先日GMをすることになった際に作ったシナリオの例です。システムは「ナイトウィザード」ということと、参加メンバーが決まっていました。

シナリオを考えている最中に、
「PCが、ヒロインの体を抱きかかえ、天を仰ぎ号泣している」
というシーン/絵が頭に思い浮かんできました(酷)。多分、何かの映画のワンシーンが記憶の片隅にあったのでしょう。


そこで、このシーンを【終点】として、逆にストーリーを作っていきます。以下、具体的な思考の推移…


・何故、泣いているのか?→恐らく、ヒロインを助けることが出来なかったのだ。自分の力の無さを嘆いているとか。泣いているのは今回の主人公PC。
・何故、助けられなかったのか?→シナリオのバランスをカツカツにして「間に合わなかった」とか「力及ばなかった」でも良いが、ここは【二律背反】に悩んでもらうべく、「実は倒すべき敵がヒロインだった」としてみよう。つまり、泣いているのは自分で手をかけたからだ。
・何故敵がヒロインなのか?→実は本当の敵がヒロインの体内(或いは魂)に封印されている。彼女は巫女の家系で、彼女の先祖が自らの魂を以って封印し、代々その血で封印しつづけてきた。それが、蘇ってしまうのだ。
・何故、今になって封印が解けるのか?→何か外的要因があったはず。それは他のPCが介入したことにする。これにより、主人公PC以外のPCも事件に巻き込むことが出来る。


…このように一人問答する形でシナリオの骨格を組み上げていきます。ここに書いた部分だけでも、ラストシーンは「敵に体をのっとられたヒロインと、PC達の戦い」になることが決定しています。シナリオも、最初はいつも通りだったヒロインが、徐々に体を乗っ取られていく、というような進め方がとれるでしょう。


勿論、これはあくまで一つの本筋。主人公PC以外のPCも話に絡めていかなければなりませんから、もうちょっと肉付けと複雑化の工程が必要です。このワンアイデアだけでは、少々【引き】が弱いので更にネタを搾り出します。


(2)シナリオフックを考える【キーワードからの想起】

先の逆算とほぼ同じですが、今度は特定のキーワードをベースにシナリオを作成していく例を紹介。


先ほどと同じのシナリオの例です。シナリオを捻る内、「タイプスリップ」というキーワードを思いつきました(何故に?)。これを起点に、思考を更に続けていきます…


・誰がタイムスリップするのか?→主人公以外のPCの誰か。裏主人公。勿論、今回の敵が原因で。ついでに、時代錯誤で笑いを取るとしよう。
・いつから?未来か過去か?→過去。実は嘗て今回の敵を封印したメンバーの独りが未来(つまり現代)にタイムスリップすると。ついでに、更に過去の「前世」も加えて、何世代にも渡ってPCたちと今回の敵は輪廻転生を重ねていることにしよう。よし、【転生者】参戦決定。


…この時点で、ほぼシナリオの骨格が見えてきました。
『嘗て、前世において、PC1と仲間は魔王と対峙した。しかし、魔王の力は強大で、PC1と仲間の力を以ってしても、倒すことは出来なかった。PC1はその命と引き換えに、仲間の一人の体(ヒロインの前世)に魔王を封印した。そして代々その血の中に魔王を封印しつづけていた。しかし、その封印も完全ではなかった。しばしばそれは復活を図るのだ。そして20年位前、PC2は、魔王を再封印した。そして、その3年後、再び魔王復活の兆しを聞きつけたPC2は、しかしその途上で次元の彼方へと飛ばされてしまう(そして現在へタイムスリップ)。転生者PC3は、かつての(最初の)PC1の仲間で、PC1を探して転生を繰り返している。そして今、再び魔王は復活へと力を蓄え始めていた…』
こんな感じでしょうか。勿論まだまだ修正を加えていく必要があります。この時点ではまだ、アイデアソースといった感じ。


付随的に、ここまで書いていくうちに、最初は考えていなかった魔王の能力も見えてきました。「時間を操る力」を持つ魔物です。ルール的にはどうするかはまた面倒ですが、イニシアティブで有利に立てるとか、時間逆回し(不利な状況のリセット)とかが出来そうですね。
当然、PC側にはこれに対抗するアイテムを出すことも考えられます。


実際にはこの二つのシナリオ要素は別々に、ほぼ同時期に思いついて、それぞれを補完するように編みこんでいっています。勿論、ここに書いているようにすんなりストーリーが出来ていったわけではなく、これ以外にも、思いついては使えないので没にしたシナリオソースが山とあります(何れは使おうと頭の中にはメモしていますけど)。そのうちで、使えそうなネタを幾つか拾い上げて、ストーリーを作っていくわけですね。



長くなってきましたので、ここらで一旦切りまして、続きは、次回。

柊流シナリオの作り方(その2)

さて、市販のシナリオを使うのも、毎回ではそのうち飽きてしまいますし、もしかしたら勘のいいPLに気づかれてしまうかもしれません。そこで、次の手を考えます。


(2)ぱくる。
非常に聞こえが悪いのですが、出来合のストーリーを頂戴してしまいましょう。そうすれば、ストーリーを考えなくても済みます。


例えば、小説やドラマ、マンガや映画のストーリーを頂戴してしまいます。PL達をその作中に見立て、シナリオを書くのです。ベースとなるストーリーや事件の起こる順番、話の仕掛けがあるのですから、シナリオ構築も楽な筈です。ついでに、NPCも特徴ごと拝借してしまえば、性格付けに悩まなくても済みます。

これの応用で、そのゲームのノベライズ作品がある場合や、元々が小説などを原作としたゲームの場合、あえてそのストーリーに乗って、再現シナリオと称してしまう手もありますね。私自身の経験では、WHFRP(「TRPGバトン」の回参照)で『ベルセルク』世界で遊んだこともありますが、これはその変形ともとれます。


この手法の場合、ぱくったと思われるのが嫌であれば、なるべく違うジャンルのものからストーリーだけ頂戴してしまうのがより安全かと思います。因みに、私がよくやるのが時代劇からの流用です。ものにもよりますが、起承転結や話仕立てが明快なこと、また勧善懲悪ものが多いことがその理由です。


おわかりかと思いますが、これも何でもかんでも取り込めるわけではありません。それは十分ご承知おきください。なるべく、起承転結のしっかりしているものが、概して楽にシナリオ化出来るようです。あと、あまり長い話をそのまま取り込むのはNGでしょう。分厚いミステリ物をRPGで再現しようとしても、果てしなく長いシナリオ、セッションに成ってしまうのが落ちです。先に時代劇を挙げましたが、せいぜいその程度。長くても、ミステリであれば火サスぐらい(つまり二時間ドラマ)程度の複雑さに止めおくべきでしょう。


(例)
PC達はある日、傷ついた小人族の少女を助ける。ところが、同じ小人族の暗殺者が彼女の命をねらってPC達にも襲いかかってきた。実は小人は小人族の王家、つまりは王女であり、後継争いが起きていたのだ。王女はPCに小人の国までの護衛を依頼する。
しかし、王女の敵は後継争いだけでなく、古代遺跡から超兵器を復活させ、大人族、つまり人間世界に戦いを挑もうとしていた。PC達は、その企みを阻止できるか…


今ふと思いついて手元にあった本を元に書いたものです。原典がお分かりになりますか?(答えは後ほど)
とりあえずここまでシナリオの概要が出来れば、あとはそれほど難しくはない、筈です。


また、かなり掟破りに近いと私自身は思いますが、リプレイからシナリオを拝借するという荒技もあります。全てのゲームがそうではありませんが、リプレイが出ているRPGもいくつかあります。そのシナリオを、そのまま拝借してしまおうというわけです。

リプレイはシナリオの一部が再現されているにすぎませんから、足りない部分は自分で補足する必要があります(巻末にシナリオを載せているリプレイ本もありますが)。固有名詞さえ変えてしまえば、これもなかなか気づかれないことが多いです。


富士見ドラゴンブックから、「ダンジョン・シネマティーク」というRPG参考書が嘗て出ていました。この本は、ここに挙げたように、映画を原典としてシナリオを作る手法が紹介されています。絶版ですが、古本などで見かけたら、ご覧ください。「スターウォーズ」や「ツインピークス」など著名な映画をファンタジーRPGのシナリオとして置き換えたらどうなるかといった例が載っています。非常に参考になりますので、是非。






最後に、先程の回答。「大長編ドラえもん のび太の宇宙小戦争」でした。お粗末。

柊流シナリオの作り方(その1)

ゲームマスターにとって、まず最も頭を悩めることの一つが、シナリオをどうやって作るか、ということではないでしょうか。私自身、毎回毎回、ゲームの予定日が近づくにつれ、あーでもないこーでもないと頭を悩ませ、前日の深夜まで、時には明け方まで、ひどいときには結局一睡せずに翌朝まで掛かってしまうこともあります。PLには秘密ですが、結局シナリオが出来ずにそのままセッションに臨んだことも、一度や二度ではありません(そうなったらそうなったでどうにかする技もありますがここではそれはまた別の回で)。


と言うことで今回は、そんな私が提案する、簡単なあるいはお手軽なシナリオ作成の方法について考えていきたいと思います。


(1)市販・既成のシナリオを使う
大抵のルールブックには、巻末に付属シナリオとして簡単なシナリオが付いています。あるいは、サプリメントに併載されていたり、シナリオ集だけが発売されているゲームも中にはあります。こうしたものを使ってやれば、自分で作る必要はなく、頭を悩ますこともありません。


「そりゃあんまりだ」と言われる方があるやもしれませんが、こうした既製の、特にルール付属のシナリオは、ゲーム製作者あるいはそれに深く関わった人間が作っているケースが殆どなので、「このゲームはどうやって楽しむのか」が端的に詰め込まれています。特にセッション参加者全員が初めて遊ぶルールなどの場合、それを使うかどうかは別にして、付属シナリオに目を通しておくことはGMとして無駄ではありません。
しかし、特にルールブック掲載のシナリオの場合は、ルールブックをすでに読んでいるPLがその内容を(例えば、謎解きの部分まで)知っている可能性もあります(「ここからさきPLは読んではいけません」と書いてあるルールブックもありますが…)。そこで、少しこれに手を加えてやります。そうすれば、オリジナル・シナリオの出来上がりというわけです。


手の加え方も色々ありますが、簡単な方法では人名・地名などの登場固有名詞をオリジナルのものに変え、また、NPCの性格(口調など)をちょっといじってみるだけで、PLはなかなか気づかないものです。出現する敵モンスターの種類を変えたり、ダンジョンの構成を変えてみたり、敵の能力を変えてもいいでしょう。
さらに、ストーリーそのものをほんの少しだけ変えてみるのも妙手です。シナリオを読んでみて、「このオチは気に入らないな」と思ったら、そこをいじって変えてしまうのです。これでもう、大抵のPLは元が既成シナリオとは気づきません。いくつかシーンを追加したり、場合によっては端折ってしまうのも手です。


それでも不安だなと思う方は、こういう手もあります。別のゲームのシナリオを持ってくるのです。
勿論、別のゲームですから、データは置き換えが必要ですし、場合によっては(持ってくるゲームによっては世界観が違う場合もありますから)、ストーリーもそのままでは使えないのでコンバートが必要です。しかし、ストーリーの根幹やネタは持ってくることができます。アイデアソースとして利用するわけですね。こうすればもう、大抵大丈夫。まずばれません。この時、ジャンルの近い(ファンタジーならファンタジーという風に)ものから持ってきても構いませんし、全く別ジャンルのシナリオを持ち込んでも、ちょっと違った雰囲気のシナリオが出来上がるかもしれません。


当然のことながら、なんでもかんでも持って来ればいいというものではありません。時には大改造を加えなければそのゲームに上手くマッチしないというケースもありうるでしょう。シナリオのネタだけしか持ってこれないケースも、往々にしてあるかと思います。それでも、全く何も無いところから作るよりは、遙かに簡単でお手軽にシナリオ構築が可能となります。


少し本題からは外れますが、特に海外のゲームにおける付属シナリオや市販シナリオは、バランスなどが非常に厳しく、そのまま使うとデスシナリオに成りかねない(それが醍醐味でもありますが)ものが多いので、注意が必要です。


長くなりそうなので、続きは次回。

TRPGバトン

sopaさん から、TRPGバトン が回ってきました。

実は一回もう一つのHP でも回ってきたのですが(^^;

折角ですから気分を変えてやってみましょう。


★1.所持しているTRPGの数

流石にこれは変えようがありません。増えていませんので。

よって26です。


本棚に並んでいる順に…

・トーキョーNOVA(2nd、R、D)

・キャッスル・ファルケンシュタイン

・真・女神転生

・TORG

・アコースティック・リーフ

・ウォーハンマーFRP(和・英)

・セブン=フォートレス(V3)

・ヒーローウォーズ

・天羅万象・零

・ソードワールド(完全版)

・ダブルクロス(2nd)

・新世紀エヴァンゲリオン・NERV白書

・アリアンロッド

・ブルーローズ

・ブレイド・オブ・アルカナ

・ローズ・トゥ・ロード(再販版)

・ビーストバインド

・ドラゴンアームズ

・クトゥルフ神話TRPG

・コール・オブ・クトゥルフd20

・無限のファンタジア

・ギア・アンティーク(旧版・ルネッサンス)

・トンネルズ&トロールズ(及び、ハイパーT&T[社会思想社版])

・ナイトウィザード

・アルフォンス

・熱血専用!


新旧ありますが、これで26タイトル。分け方によってはもうちょっと増減するでしょうか。大学在学していた頃まではもうちょっとあったんですが、卒業を機に、後輩達に譲ってしまいました。今思えば惜しいことをしたかなとも思います。基本的にRPGって再販されませんから。


★2.最近お気に入りのTRPG

前回は「ナイトウィザード」と回答しましたのでこれ以外で。

多数の方がお答えになっていますが「アリアンロッド」はよくできているし面白いと思いますね。初心者でも大丈夫ですし、やり込むこともできますから。


★3.思い入れのあるTRPG5つ

このブログでも「わたしのすきなRPG」と題して書いていますね。

TORG

やはり「TORG」は外せません。これが一番かな。

whfrp

そして「ウォー・ハンマー」。画像は英語版。日本語は途中でサポートがとぎれてしまい残念。

tenra

「天羅万象・零」。『業システム』は填りました。世界観も好きですね。サイコロたくさん振るので見た目にも派手ですし。旧「天羅万象」も好きです(今は手元にありませんが…)

NightWizard

「ナイトウィザード」。最近のお気に入りの一つです。

さて、後一つ。悩むところですが…

Hyper T&T

初めてGMを務めたってことで「ハイパー・T&T」を挙げます。懐かしいなぁ、この表紙。画像では分かりませんが、かなりぼろぼろです。発売当初に買いました。91年4月初版。もう14年も前なんですね。


今回は手元にあるルールブックから、ということで。


★4.気になる発売予定のTRPGタイトル

う~ん。やはり情報はそれほど仕入れていませんので、今回もパスさせて下さい。

復刻して欲しいなぁと思うタイトルはいくつもあるんですが…


★5.バトンを渡す5人

えっと…どうしたものかな。

あ、K_suzさん にお願いしてみましょう。

よろしくですー。

なってはいけない

RPGをやる上で、こんなプレイはしてはならない、というものを幾つか挙げていきます。あなた自身に心当たりがあったり、周りの人が該当するようなら、修正をした方がよいでしょう。因みに、下記は全て、私が経験したことのある例(ちょっと誇張しているもの含みますが)です。


【ゴト師】
サイコロを振るときに、イカサマ振り(意図した目を出すこと。訓練すれば出来ます)をしたり、GMや他のプレイヤーから見えないところで振ってしまう…これは論外です。
RPGはゲームですから、その部分は公明正大に行わないと面白くもありません。GMテクニックの一つとして、ダイスを変えたり、ブラインドにしてごまかすなどはありますが、プレイヤーがそれをやるのは話が違います。
サイコロを振るときはみんなに見えやすいように振ることを心がけましょう。


【熱血最凶】
RPGはコミュニケーションをその主体とするゲームですから、それが円滑に行われることが望ましく、逆にそれを阻害するようなプレイは避けなければなりません。感情を込めてロールプレイをするのは構いませんし私はむしろ奨励しますが、何事も「過ぎたるは尚及ばざるが如し」。あまり感情的になってしまうのも考えものです。また、ゲームは偶然の要素も多々含みます。賽の目が悪いからといってあからさまに憮然とするのもどうかと思います。ゲームの中と外は必ず区別し、混同することのないようにしましょう。


【リアリスト】
「A君は気に入らないからA君のPCとも(キャラクターの立場を度外視して)上手くはやらない」などといったケースが典型です。逆のパターンもありえますね。
「熱血最凶」と似てはいますが、プレイヤーとキャラクターが混同してしまっている人を指します。ゲームの中はゲームの中。現実世界は現実世界で、けじめをつけることが大切です。


【大戦略家】
判定となれば矢鱈数字に拘るプレイヤーを指します。成功率を綿密に入念に計算し始め、使えるスキルや能力は無いかキャラクターシートを隅々までチャックし始めます。果ては、ルールブックも広げ始め…
これが悪いことだ、とは断じませんが、程度によりけりです。クライマックスシーンの最終戦闘、生きるか死ぬかの瀬戸際で、皆が必死に生き延びる術を模索している、という状況はありえるでしょう。
しかし、これがなんでもない戦闘や判定のたびとなると話は別です。独りでコンピュータ相手に遊んでいるならいざ知らず、他のプレイヤーもいるはずです。RPGは会話で進めるゲームですから、テンポというものも大事です。あまりにもそれを遅滞させ、周りを白けさせててしまうようなプレイスタイルは、いただけません。


【ルールマスター】
「ちょっと待って。それ、おかしいよ。ルールだと…」
ルールに詳しいプレイヤーは、GMや他のプレイヤーがルールに則さない処理をしていると、つい口出しをしてしまいがちです。勿論、これはフォローという意味では良いことなのですが、このタイプのプレイヤーは実は、最も肝心なルールを忘れていることが多いのです。
それは、「セッションの最中は、GMが最終的な決定権を持つ」ということ。たとえそれがルールブックに載っていない、あるいは本来のルールに反した処理であっても、GMが「これが正しいのだ」と言えばそれが(その場においては)正しいルールになります。であるにも関わらず、セッションを止めてまで議論を吹っかけるのは、正しい姿勢とは言えません。
GMがその助言を聞き入れて自分の誤りを認め、正しいルールで再処理することもあって然るべきではありますが、GMには臨機応変にルール運用する権利があり、幾つかのルールではそれがルールブックの記載に優先するとも明記されています。「何が何でも自分が正しい」という姿勢は、プレイヤーとしては正しくありません。


【超・知識人】
前項と似ていますが、セッションの最中にルールブックを見るプレイヤーです。
勿論、ルールの確認や自分の能力の確認を、隙を見て行うことは、構いません(くれぐれもセッションの妨げにはならないようにしましょう。他のプレイヤーのシーンに割り込んでGMに質問したりしないように!また、GMが状況説明しているのを無視してルール読みをしてはいけませんよ)。ここで問題にしているのは、例えば戦闘中にモンスターデータを見たり、NPCデータを見たりすることです。勿論ルールとして、PCがモンスターなどの知識を有していると判じられた場合などは別ですが、そうでもない場合、特にプレイヤーは分かっているけれどPCには相手の正体や能力がわかっていない場合などは注意が必要です。


【テンプレーター】
いつもいつも同じようなキャラクターを作成するプレイヤー。
ここで言う「同じような」は、「強い(と思われる)スキルコンボなどを毎回同じように仕込む」タイプのプレイヤーを指します。最もルール的に有効なスキルの使い方に執心し、それを自分のPCに毎回決まったように習得させます。スキルの使用方法は、ルールの隙を突いたような、裏技のような使い方であるケースが多く、GMもルール上認めないわけにはいかないものの、苦々しく思われてしまうことも多い様です。また、このタイプのプレイヤーはそれを自慢する傾向にもありますね。一種の「マンチキン」です。


【バーカーサー】
明らかに無謀と思われる戦いに身を投じたり、無理と思われる判定に生死を賭けてしまうプレイヤー。良く考えているわけでもなく、状況把握もそこそこに、自暴自棄に突貫していきます。PCへの愛着やロールプレイなどあったものではなく、周りのプレイヤーもこうなっては閉口です。また、こうしたプレイヤーに限って、後で色々と文句を(シナリオやバランスに対して)言うケースも多いようです。


ここでいくつか挙げた例は、全て一つの原因に帰することが出来ます―「自己中心」と。
RPGは複数の人間が、会話などのコミュニケーションを通じて楽しむ遊びです。畢竟、誰か独りだけが楽しかったり、その逆であったりしてはいけません。参加したプレイヤーやGMがみんな楽しめてはじめて、それは成立し得るのです。
常に、周囲に気を配り、自分ひとりの世界に閉じこもらないこと―これは何も、ゲームの世界に限った話ではありませんが、TRPGがある意味で社会の縮図を構築するものである以上、そうした配慮が常に必要になります。逆に言えば、いつもの生活で普通に気をつけていることを、ゲームの場でも継続すれば良いのです。簡単に言ってしまえば「他人に迷惑をかけたり、周りを不快にさせたりしないこと」。それさえ守れていれば、何も難しく考えることもないでしょう。

ロールプレイを上手くやるには

PGはゲームであり遊びであり、趣味でやるものです。一部プロ(ゲームデザイナーや出版関係かな)の方もおられるでしょうが、RPGプレイヤー(GM含む)の殆ど全ては、ただ己の楽しみとしてRPGをやっているはずです。これが全ての前提であり、これを忘れてしまうと色々と不都合が起きかねません。常に念頭にこのことを置いておく必要があります。
しかし同時に、遊びだから、趣味だからといって手を抜いてよいということではなく、遊びであっても真剣に、そして切磋琢磨していくことも、時には必要です。アマチュアスポーツを例にあげれば、練習を重ねた結果が試合で出たり、自己記録が伸びたりすれば、うれしいものですし、更に磨きをかけていこうという意欲も湧いてくるでしょう。
これは、RPGも例外ではありません。

閑話休題。
PGの要素の一つに「ロールプレイ=役割演技」があります。自分とは違うキャラクターになりきり、演技をするというものです。しかしこれは、そう簡単なことではありません。
一般にRPGのプレイヤーは、演技に関しては素人です(もしかしたら中にはプロの演技者もおられるでしょうがここでは考慮の外)。いきなり、キャラクターを演じろといっても直ぐには出来ないでしょう。
そこでこの項では、ロールプレイを少しでも上手くこなすにはどうすればいいかについて、考えていきたいと思います。

(1)特徴あるキャラクターつくり
個性なキャラクターを演じることは、非常に困難です。そこで、キャラクターにはなるべく分かり易い個性・特徴を付与してやれば、キャラクターが立ちやすくなり、演技もしやすくなります。
例としては、
・口癖や特徴ある口調
 お決まりの台詞や、口癖を設定しておくと、その台詞・口調を出せばそのキャラクターを演じていることになるので簡単です。
(例)「いい腕だ…だがニッポンじゃ、二番目だ」「(語尾に)…にゃー」「ほーほっほっほ(高笑)」
・動作・所作の癖
 演技をするときに、ややオーバーなアクションを(周りのプレイヤーの迷惑にならないように)つけてやります。上記の口癖と似たようなものです。
(例)「眼鏡を上げる」「髪を掻き揚げる」
・端的な性格
 キャラクターの性格を、やや破綻した、極端なものに設定しておけば、行動指針もその性格によって決めることもできます。ただしこれも程度が過ぎるとゲームを壊してしまいかねませんので注意が必要です。
(例)「女好きで出てきたNPC女性(年齢不問)はとりあえず口説かずにはいられない」「ドケチで、物を買うときは必ず値切り、小銭に目が無い」「大喰らいでグルメ」

最近のRPGには、こうした特徴をキャラクターメイキングの中で付与するものもあります。そういったものが無い場合でも、「特徴表」を自作、、あるいは他のゲームから流用して、ランダムに性格や特徴を付与しても面白いかもしれません。
すでに絶版ですので入手は難しいですが、「RPGキャラクターブック」(社会思想社/現代教養文庫)という、キャラクターに特徴を付与する本もあります(かなり異常なキャラクターが出来上がってしまいますが…)。

(2)模倣する
徴あるキャラクターを作るといっても、そうそうアイデアが出てくるものではありません。そういう時は、既存のキャラクターを模倣してしまいましょう。映画・ドラマやアニメ・漫画のお気に入り(でなくても構いませんが)登場人物を模倣してキャラクターを作成するのです。そのとき、なるべく特徴のはっきりしたキャラクターである方が楽です。口調や仕草をそのキャラクターからコピーしてしまえば、ロールプレイの出来上がりです。
ただし、この手段をいつもいつも用いたり、さらに毎回同じキャラクターを模倣したりしていると、流石に周囲から疎まれてしまうかもしれません。あくまで初期段階でのロールプレイの練習、あるいはキャラクターのネタに困ったときの非常手段と心得てください。
また、これの応用で、プレイヤー全員が既存の物語の登場人物を演じるというセッションも考えられます(私は「ベルセルク」でセッションをしたことがあります…ピピン役で)。
また、事前にGMや周りのプレイヤーに了解を取っておくこともお忘れなく。なぜか?もし、そのオリジナルキャラクターに思い入れのある人が他にいた場合、諍いの種になってしまいかねないからです。

(3)衣装にこってみる
「RPGのお道具箱」でも少し書きましたが、ちょっとした小道具や衣装を用意すると、ロールプレイがぐっと盛り上がります。何も持たずに演技をするのではなく、伊達眼鏡やサングラスをかけてみたり、アクセサリーを魔導具に見立ててみたり。サイバーパンクなどであればエアガンを(怪我をしないように取り扱い注意)持ち込んでみたり等々。コスプレではありませんから、想像力を補完できる程度で十分です。また、誰かの自宅などでしたら多少派手でも構いませんが、人目に触れるようなところでは、エアガンなどはやめた方がいいでしょう。
扇子と手拭をいろいろなものに見立てる落語家さんのテクニックは参考になりますので、一見の価値ありです。実物を用意するのではなく、シャーペンなどを剣の柄に見立てる、などの工夫をするだけでも、随分と違ってきます。

(4)自分を演じる
破りに近いのですが、キャラクターを自分自身と同じ性格に設定してしまえば、自分の素のままでロールプレイが成り立ちます。とはいえ、せっかくのロールプレイなのですから、あまり多用すると面白くも何ともありません。
そこで、日頃内に秘めた、いつも自分が表に出しているのとはちょっと違った自分を演じてみると面白いかと思います。現実世界ではなかなか出来ないことも、架空のキャラクターを通してなら出来る―そんなことも実際あるのです。


ールプレイをする上で大事なことは、そのキャラクターになりきること、です。難しいようですが、「このキャラクターだったらこういうときにどう考えるだろうか?」と常に考えていると、いつか自然にロールプレイができるようになるのではないかと思います。
そのためには、日頃からいろんな人の考え方に接し、その引出しを増やしておく努力も必要です。他人が自分自身と違う考えを持つなら、それはどのような思考論理に依るものなのか、どんな価値観の違いがあるのかを客観的に捉え、自分の中にある「ロール」のストックを、一つずつ増やしていくのです。こうした訓練は、日常の生活の中でいくらでも機会があるでしょうし、また、小説などを読んで間接的に行うこともできるでしょう。ロールプレイの修練には、こうした観察眼や読解力、日常の積み重ねも重要な因子となります。
つまり、四六時中がロールプレイの訓練機会ということになります。さあ、とりあえずは貴方の隣の人でも観察して、次回のキャラクター作りの参考としてみましょう(ジロジロ見て怒られない程度に…)。

RPGの効用、あるいはGMのススメ

これをお読みの貴方は、学生でしょうか、それともすでに社会に出て働いておれれる方でしょうか?


今回は実体験から、RPGをやっていた経験が社会に出てから役に立ったよ!というお話です。まだ学生の方には今後の参考になる、かもしれません。


社会人の方、特に会社員の方であれば、研修などの機会に「ロールプレイ研修」(言い方は会社などによっても違います)というものを受けたことがあるのではないでしょうか。日常の自分とは違う立場を台本に沿って(あるいは初期条件のみ与えられて台本が無い場合もあります)演じ、日頃の自分とは違う視点から仕事を見つめ直し、見逃してしまっている点に改めて気づくことを意図した訓練です。
慣れていない人にとっては、「自分と違う架空の誰か」をいきなり演じろと言われてもなかなか難しいものです。照れもあるでしょうし。ですが、RPGをやっていれば、これはまさに日頃自分たちが遊んでいることそのもの。照れの部分は同じくあるというものの、演じるという点ではアドバンテージがあるというわけです。だからといって、あんまりはしゃいで嬉々としてやるのも、どうかとは思いますけども。
しかし、実際の問題として、いくら社会人とて、ロールプレイ研修を受ける機会はそう多いわけではありません(研修をいつもやる人事のようなセクションの人は別かもしれませんが)。


RPGをやっていてよかったと思った、今も思えること。その最も大きいことは、ゲームマスター(GM)経験に依るものです。


GMの役割については、また後日詳細に述べていきたいと思いますが、大雑把に言うとゲームの進行役であり、ストーリーテラーでもあり、ジャッジでもあります。
上手いGMになるためには、まず状況を説明する能力が問われます。目の前に何も無い架空の情景をプレイヤーに想起してもらわなければなりません。時に小道具やイラストを使うといっても、そのメインウェポンは言葉。口頭による説明で、次々に変わる状況を、正確に、即時伝えていかねばならないのです。
そして、話すときはプレイヤー一人一人の顔を見ながら、ちゃんと言いたいことが伝わっているか、また反応はどうかを窺う観察力が問われます。
その反応如何では、話し方や伝え方、あるいは内容そのものを変えなければならないこともあるでしょう。揚げ足取りを狙っているプレイヤーの、容赦ない突込みにも答えなければなりません。即応力、アドリブ能力が必要です。
時には、プレイヤーが思いもよらなかった行動に出るかもしれません。サイコロの偶然が、緻密に積み上げておいたシナリオを壊してしまうかもしれません。そんな時でも、黙り込むことなく次の手を瞬時に考えなければならないのです。そして、仮に心中狼狽していても、決して表には出さない冷静沈着さも求められるでしょう。
これら全ては、ひっくるめて言ってしまえばコミュニケーション能力と言えるかと思います。勿論これらの能力を最初から全て持っているわけでもありませんし、じゃあ、お前自身は身に付けているのかと問われても、「YES」とは到底言いがたいのですが、少しでも上手いGMでありたいと思うのであれば、こうした能力は―それぞれを明確に意識するかどうかは別として―自ずと必要になってくるはずです。逆に言えば、GM経験を積むことでこうした能力は少しずつ磨かれてきたと思っています。


そして、このコミュニケーション能力というものは、世の中に出てみると殊のほか有用なのです。会社に入れば、会議やプレゼンテーションなど、人前で自分の考えを述べたりする機会が増えます。そうした場面で要求される能力は、実はGMのそれと殆ど同じだと言っていいほどです。多数の聞き手を前にしても冷静を保ち、分かり易い言葉で、明瞭に、聞き手の反応を常に窺いながら、時に話し方すらアドリブで変えてみる。質問を受ければきちんとそれを理解し、理路整然と適切な答えを返せるかどうか、理を以って議論ができるか…等々。言葉尻を捕らえ、ともすればそれを自分の得点に変えてやろうと虎視眈々狙っている油断なら無いプレイヤーに比べれば、会社の会議の方が寧ろ楽チンかもしれません。


別段私は、こうしたことに強くなろうと思ってRPGをしていたわけではありません。結果として、GMの場数を多少踏んでいたことが、社会に出てから意外と役に立っているということに過ぎません。
ただ、考えてもみてください。
自分が好きなことを好きなように遊んでいただけで、訓練しようと思ってもなかなか身につけられない能力が、知らない間に身についていたのです。こんな愉快なことは、ないではありませんか。

ロールプレイヤーとゲームプレイヤー

RPGのルールに幾つか類型があることは先に述べておりますが、それを操るプレイヤー(そしてGM)にも、幾つかタイプがあります。


その分け方にも幾つか切り口があるかと思いますが、そのプレイスタイルという面から、「ロールプレイヤー」「ゲームプレイヤー」の二つに大別できます。要するに、「RPG」の「RP」と「G」です。


「ロールプレイヤー」とは、ロールプレイ=役割演技を主体とするプレイヤーのことです。彼らは、キャラクターになりきり、感情移入し、キャラクターの口調で話し、時には身振り手振りを加え物語に没入します。程度の差こそあれ、キャラクターと一体化することそれ自体を目的としているため、ゲーム的な勝利(戦闘での勝ち負けなど)には拘ることが少なく、また判定の際などに成功率を計算したり、有利・不利を緻密に計算したりといったことをあまり行いません。どちらかというと、「このキャラクターならこういう場合にどう判断するか」ということを判断基準に置きます。


一方「ゲームプレイヤー」は、ゲームとしての部分に重きを置くプレイヤーのことです。キャラクターとして演じることよりも、ゲーム的な要素、例えば判定の成否等に拘ります。特に戦闘シーンなどでは、命中・回避の確率や、有利・不利を緻密に計算し、可能な限り条件を有利にして、成功する確率を最大限に高めてから判定に臨みます。キャラクターと一体化するというよりは、そこから一歩引いたところ、あるいは俯瞰したところから、客観的な視点でキャラクターを演じることが多くなります。


これら二つは飽くまで大別ですから、この中間に属する人や、両方がある程度適合する人もたくさんおられるかと思います。さて、あなたはどちらにより近いプレイヤー(或いはGM)でしょうか?また、貴方の周りのプレイヤーはどちらに属しますか?


以前、RPGとは何ぞやという話(「RPGってなんだっけ(1)」)をしたときに、私はRPGを「ごっこ遊びの延長戦」と定義しました。このことからもお分かりのように、私は「ロールプレイヤー」に属する、或いはそうありたいと願い努力している一人ですし、RPGは本来そうやって遊ぶもの、その方がより楽しいのではないかと思っている一人です。なぜなら、ロールプレイの有無こそが、RPGと他のゲームを分ける一線であると思うからです。


ただ数字を追いかけ、緻密な戦略を競う遊びがしたいならば、カードゲームやシミュレーションゲームをやればよく、サイコロを振りたいのならばボードゲームでもなんら変わらないでしょう。ちょっと風変わりな世界を傍から眺めていたいなら、CRPGや映画で代替が利いてしまいます。事実、現在RPGが下火になっている一因として、ゲームプレイヤータイプのプレイヤーがRPGからカードゲームなどに流出したという一面があります。


特に戦闘シーンやとっさの判断を要する判定の時に思うことなのですが、ゲームプレイヤータイプのプレイヤーはしばしば、キャラクターシートを覗き込んだりひっくり返したり、あれこれ考えたりとなかなか判定に踏み切ろうとはしないことがあります。それは、ロールプレイという観点からすると、非常に不自然に思えてならないのです。もし、それが現実の出来事であれば、あれこれ考える間も無く判断を下さねばなりません。生死の間際ともなればなおさらのはずです。ゲーム内のことだから、多少の思考の時間は許されるにしても、あまりだらだらと判定を引き延ばすのは、リアリティや緊張感を削いでしまいます。
また、NPCを説得するなどというシーンで、「どうやって、どんな言葉で説得するのか」ということを考えるよりも、自分の能力値や技能欄を見つめることに懸命になるプレイヤーがいますが、これも同様の理由であまり芳しくないと思います。せっかくのロールプレイングゲームなのですから、判定や成功率などといったことよりも、言葉でどう表現するかに重きをおいていきたいのです。


RPGにはRPGにしか出来ない遊び方というものがあるはずです。だからこそ、私は、RPGが好きなのですから。

プレイヤーの勝利

RPGの入門書やリプレイ冒頭の解説文などには、しばしば「RPGは勝者敗者のないゲーム」という旨の記述がされていることがあります。確かに、例えばRPGに似たところのあるボードゲームや、トレーディングカードゲームのそれと同じような勝利・敗北というものは、RPGには存在しません。

ですが、私たちはセッションの後に、その日のセッションを振り返って、「今日は負けた」だの「今日は○○クンの一人勝ちだ」だのという類の会話をよくします。もしかしたらこれは私たちの仲間内だけの話かもしれませんが、RPGにも確かに「勝利」と「敗北」が存在し、それを我々は確かに感じることが出来るのです。

では、RPGにおける勝利とは一体どんなものなのでしょうか。今回は、その中でも主としてプレイヤーに焦点を当て、「プレイヤーの勝利」の条件について考えていきたいと思います。


RPGのテーブルに着く時、恐らく大抵の場合は、ゲームマスター(GM)とプレイヤーが対峙して着席することになると思います。では、GMと彼の繰り出すノンプレイヤーキャラクター(NPC)―ファンタジー系RPGであればもちろんそれにはモンスターも含まれる―を倒すことが、プレイヤーの勝利でしょうか?GMの用意したダンジョンを突破し、その奥にある財宝を手にすることが勝利でしょうか?NPCから依頼されたミッションをクリアすることがプレイヤーの勝利なのでしょうか?
もちろんそれは、勝利条件の一部足りえるものです。モンスターに蹂躙され全滅したセッションを「勝利」とは呼べないでしょう。ダンジョンのデス・トラップに嵌り全滅しても同じことですし、使命を果たすことが出来なければ、それはそれで問題があります。

しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、これらは必ずしも「プレイヤーの勝利」に直結するものではないということです。実はこれらの「勝利」は、プレイヤーのものではなく、「プレイヤーキャラクター(PC)の勝利」に過ぎません。
「自分が操るPCが勝利すれば、それは即ちプレイヤーの勝利ではないのか?」
それは一面の真実です。そうしたこともありえるでしょう。しかし、重ねて言いますが、これは条件の一つにしか過ぎませんし、プレイヤーとその分身たるプレイヤーキャラクターの勝利条件は必ずしも一致せず、場合によってはこの二つの勝利条件は、相反することすらあります。このことを理解しておかないと、セッションにおいて、プレイヤーとしての勝利を得ることは出来ないでしょう。


では、プレイヤーの勝利条件とは何か。
端的に言えばそれは、「セッションを楽しむこと」更に言えば、「セッションを盛り上げGMを含めた他の参加者共々楽しむこと」です。
そんなことは当たり前―そう仰る方もおられることと思います。ですが、時に相反するプレイヤーとプレイヤーキャラクターの利害、そして当然起こり得るプレイヤーキャラクター間の利害。それらの対立が起こると、この勝利条件は途端に難しいものと化してしまうのです。


私の経験から具体例をお話しましょう。
とあるセッションに、プレイヤーとして参加した時の話です。そのセッションでは、GMから開始前に「今回は疑心暗鬼を誘うシナリオです」と提示があり、各PCはお互いの正体を知らない(=キャラクターシートを見せ合わない)ことという条件が出されました。その上で、GMから各プレイヤーにハンドアウト(そのシナリオにおけるPCの立場や目的を記述したもの)を、他のプレイヤーには伏せて渡し、セッションが開始されたのです。さながら、ミステリー小説の様なシチュエーションですね。
この時、私に与えられた役割は「スパイ/間者」(日本の戦国時代(風)が舞台で、私のキャラクターは忍者(草))。(他のPCから見れば)敵の勢力に属し、味方の振りをしてPC達に同行し信用を得た上で裏切れ、というものでした。もちろん私自身も、他のPCが敵なのか、味方なのか(自分と同じ忍者)なのかは分かりません。
結果、私は見事に他のPCを騙し通して目的を果たし、更に他のPCにその罪を擦り付けることにまで成功してしまいました。ほぼ私の一人勝ちです。
PCとしての私は、目的をほぼ完遂したことになるのですが、さて、これはプレイヤーの私にとってはどうだったでしょうか。
結論を先に言えば、満足できるセッションではありませんでした。
このときGMが何を考えていたかは定かではありませんが、私から見て、このシナリオの「ベスト・ストーリー」は、(他の)PC側が、最終的には私(のPC)の目的を見抜くか察するかして、その動きを止めるか牽制するか、あるいは何らかの交換条件を出すか、はたまた実力行使で排除する(殺す)かして、本来の目的を達することだったはずです。それに対して私のPCがどこまで部分的勝利を得ることが出来るかというストーリーではなかったのかと思われます。つまり、私の完全勝利はシナリオとしては「バッド・エンド」なわけです。
RPGがゲームである以上、あらゆるエンディングが可能性を持ち、このときのラストも、そのうちの一つであったに過ぎません。また、私のPCにとってはこれが勝利の「ベスト・シナリオ」ではあるのです。ですが、先にも言ったとおり、これはシナリオとしての、セッションとしてのベストではありません。現に、他のプレイヤーは憤懣やる方無しとまではいかないものの、フラストレーションは溜まっていたようです。
このことで、私が自身のプレイを責めるつもりはありませんが、「もう少し隙を見せてあやしいそぶりを強調すればよかったか」といった思いを持ったことも事実でした。それは、「グッド・エンド」に到達できなかったということよりも、他のプレイヤーに不満が残ってしまったことに対する反省であったのです。


PCとしては勝利を収めつつもプレイヤーとしては不満を残す。
こうした経験は、多くのプレイヤー、特にGM経験者のプレイヤーが持ったことのあるものではないかと思います。RPGセッションに参加している者にとって、プレイヤーとしての勝利は、必ずしも最大の勝利ではないということです。自分も含めた参加者が全て満足するストーリーと結果、そこに到達できたときの到達感と一体感。それこそがプレイヤーの大局的な目的であり勝利条件たりえるのではないかと思います。もちろんその「結果」がPCの勝利・満足と同期していればなお良いのかもしれませんが、今ここで言うプレイヤーの勝利は、必ずしもそれが一致していなくても構いません。たとえ迎えたラストがPCの全滅や依頼の未完遂であったとしても、プレイヤー全員が楽しく、満足できればそれでよいのです。

先に「RPG類型論」の中でも述べましたが、昨今、元来GMの範疇であった「演出」という作業が、プレイヤーにも多分に渡されるようになってきました。であればこそ、シナリオの方向をプレイヤーが担う部分が前にも増して増えてきています。プレイヤーであるからといって、GMの示すシナリオにただ受身になるだけでなく、ラストの到達感を目指し、能動的にアクションを起こし、ストーリーを牽引する。そうして初めて、プレイヤーはプレイヤーキャラクターの勝利を超え、たとえ己のキャラクターが地に這ったとしても(たとえそれがバッドエンドだったとしても)、プレイヤーとしてそのシナリオを楽しむことが出来、そしてそのセッションに「勝利」することができるのではないか。私は、そんな風に今考えています。


この話は結構奥が深く、書き出してからもかなり悩みました。また上手く纏めることが出来たら、記述したいと思います。