今日は歯ブラシのブラシ毛はどのように植毛してるのだ!?の巻です。

 

大人のための仕上歯ブラシで分解して見ました。これは歯ブラシを使用したり、歯ブラシを選びにも役に立つかもしれないので覚えていてくださいね。!!ウインク

 

歯ブラシの植毛部

 

毛抜きで植毛している毛を先ずは1本ずつ抜いて見ました。

市販されているほとんどの歯ブラシは二つ折りにしたブラシ毛の中心を平線と呼ばれる真鍮で出来た極小の金属板で押さえ付けて固定しているだけですので、ブラシ毛を1本1本垂直に強く引っ張ると毛が抜け出てきます。2・3本抜くと平線とブラシ毛の間に隙間が出来てくるのであとは簡単に抜け出てきます。

 

ブラシ毛を抜いていくと・・・・・

金色のものが平線です。さらに抜いていきましょう!

 

全部抜けました。1孔だけ平線ごと抜いてみました。

 

1孔に入っていたブラシ毛と平線

ブラシ毛が二つ折りになっていますよね。小さい金色のものが平線です。

 

平線拡大画像

 

この大人のための仕上歯ブラシに植毛されていたブラシ毛

この植毛孔数で約400本程度のブラシ毛が植毛されています。ですがブラシ表面に出ている毛先はこの倍の約800本になるのです。(ビックリしませんか?びっくり

 

実は歯ブラシには日本工業規格基準(JIS規格)があります。

それは1.植毛している1孔の抜毛強度(毛が抜け出る強度)2.毛の硬さ(座屈強度)です。

あとは、家庭用品品質表示法に基づく表示が必要です。

表示義務は1.材料表示 2.毛の硬さ 3.耐熱温度  4.製造者または販売者(輸入者)

 

しかし1本ずつ抜け出てくる強度は基準がありませんので数値化されていないのも事実です。(通常のブラッシングで抜け出てこなければ強度的にはOKとされているのではないでしょうか。ただメーカーさんによっては数値化して管理しているかも知れませんね。では1孔の抜毛強度のJIS規格基準はというと8N(ニュートン)以上となっています。8Nと言うと約0.9kgの引張り力で抜け出ないと定められていますが、実はその強度基準では突発的にブラッシング中、毛が抜け出てくるリスクが高いのです。

ですから弊社では自社基準として19.6N(約2kg)以上と設定し品質管理を行っています。

 

特にご注意頂きたいのは子供用歯ブラシです。

子供用歯ブラシも、大人用同様の強度基準が設定されているケースが多いと思われます。弊社ではパッケージ裏面にも注意事項を表示させて頂いておりますが、お子様が誤ってブラシ毛の毛先などを噛んでしまい、毛穴と垂直方向に思いがけない引張り力が働いてしまいますと毛が抜け出てくる場合があります。知らないうちに気がつけば植毛孔全部の毛が無いと言うこともありますのでご注意が必要です。

 

歯ブラシの品質をより高度に管理するには、たくさんの要素が絡み合って保持されています。抜毛強度にしても、ハンドルのプラスチック材質や植毛孔の大きさはブラシ毛の太さ。はたまた、平線の挿入位置や深さなど、高性能植毛機が植毛している時代ではありますが、まだまだ経験豊かな技術者が必要な状況に変わりありません。

 

ただお客様が安心して、安全に使用できるものづくりを行うことが最優先であります。

 

今回はこのへんで終わらせておきます。

 

また色んな歯ブラシなどの情報を配信させて頂きます。

 

しゃちょーでした。