最新のオートバイにはABSが装着されています。
当然のことながら、最新のSSであるCBR1000RR-RにもABSは装着されていて、これには2つのモードがあります。
スポーツモードのABS2とトラックモードのABS1です。
私はサーキットを走る機会が多いので通常ABSを1に設定しています。
モードによる違いを感じていなかったこともあり、公道もABS1のままで使用していました。
ところが、先日お山を走った際、晴れているのに路面は濡れているという、冬の山道独特の現象が発生しておりました。
寒暖差の大きい山道が夜露で雨上がりのようにウエット状態になっていたのです。
そんなウェティーな路面でのこと、下りの右コーナー進入でABSを信じてリアブレーキをラフに操作したときです、突然リアタイアがスネークを始めコントロール不能状態になりました。
まるでABSが全く作動していないかのようにリアがスリップしてスネークしました。
そのときは何とか立て直すことができましたが、内心かなりビビりました。
基本的に雨天は走りませんから、CBRでのウェット路面はほぼ初めてです。
ですが、CBRのABSはコーナリングABSのはず、どのような状況でもコントロールを失うようなスリップをさせない設定のはずでは??
後日、このことについてホンダドリームに質問しました。
付属の小さな冊子(取説)にはABSのモードについて詳細は書かれていません。
「スリッピーな路面でリアブレーキを使用するとスリップします。その際ABSが作動しないように感じるのは設定ですか?」
質問の対するホンダドリームの答えは、
「説明書を読む限り、リアのABSが作動しないように感じる設定になっています」
とのことでした。
ですが、作動しないように感じるのと、作動しないで滑るのとは全く意味が違います。
まるで作動していないように感じるほど自然な制御でスリップしない、ならば良いのですが、作動していないように感じて、スリップしまくる では、作動していない、と同じですよね。
そんなことがあったので、ドライ路面でABS1のフルブレーキテストを何度繰り返してみました。
フロントとリアを同時にフルブレーキし、ABS装着車でなればリアがスネークするような状況を意図的に作ったのです。
すると、ABS1でもリアブレーキからの反動が足先に伝わり、ABSが作動していることが分かりました。
必要最低限の介入とは感じますが、必要以上に滑ることなくしっかり減速するのです。
ではなぜウェット路面ではいきなりスリップしてしまうのか?
考えるに、ABS1ではサーキットである程度のスリップを容認する設定になっている、そのためドライ路面ではコントロールできるがウェット路面ではスリップしてしまう、のでは?
もう一つ、タイヤがミシュランパワーカップ2ですから、ウエット路面は滑って当然とも言えます(笑)
真実を追求したい気持ちはありますが、ウェット路面でコントロールを失うようなことはしたくありません。
とにかく、公道ではCBR1000RR-RのABS設定をスポーツモードの2にしておくことをお勧めします。
公道では常に変化する路面に対応する必要がありますからね。