「お金ってなに?」
と、子どもに質問されたら何と答えますか?
日本銀行券だよ、ですか?
欲しいものやサービスと交換できる券だよ、かな?
それでは、「なぜお金は欲しいものやサービスと交換できるの?」
と、質問されたらどうしますか?
いろいろと工夫されているとはいえ、紙幣は紙であり、それに自体に価値がないことは子どもにも容易に分かることです。
その昔、お紙幣は金(貴金属のゴールド)と等価交換する券であり、金の価値がそのままお金の価値でもありました。
ところが近代国家では、大量の紙幣が必要となり、等価交換するだけの金を保有することは、事実上不可能になりました。
紙幣自体に価値を持たせる必要がでてきたわけです。
それでは、国が印刷する紙幣の信用(価値)を生み出すものとは何でしょう?
国家の強制力です。
現代紙幣理論(MMT理論)では、「紙幣の信用や価値は、国家の徴税権により保証される。」
としています。
ドイツの統計学者 ゲオルグ・フリードリッヒ・クリナップは、「貨幣国定説」の中で、同様のことを言っています。
「貨幣の価値を担保しているのは、国家による法的な強制力である」
現在我々が使用している紙幣とは信用券なのです。
紙幣自体には何の価値も無く、それに価値があると信じている民衆がいるから成り立つシステムの一環なわけです。
もっとはっきり言えば、現代の紙幣価値とは国家が作り上げた幻想です。
キャッシュレス化された現代では、紙幣そのもが無くても困らないことに、皆さんは既にお気付きのはずです。
そんな現代で、「日本はどんなに借金しても破綻しない。何故なら、政府は紙幣をいくらでも印刷できるから。払うお金が足りなくなったら必要なだけ印刷すれば良い。」
なんて無茶苦茶な理論で、日本は破綻しないと説明する大学教授がいたりしますが、それは明らかに間違いだと思います。
仕組みとしてはそうかもしれませんが、一番大事な信用問題が欠けています。
貨幣の信用を担保するのは国家の法的強制力であることを忘れてはいけません。
それは即ち税収であるはずです。
国に経済力があると信じるから、国が印刷する紙切れの価値を信じることができる。
であれば、やはり少子高齢化で高齢者への支出ばかりが増え、労働人口の減少により税収が減り続ける日本に未来は無いことになります。
でも、未来永劫民衆が幻想から覚めない方法があるとしたら、、
あるのかなぁ~??