多くの企業が早期退職希望者を募っています。

最近ニュースになった企業だけでも、味の素、LIXIL、ファミリーマート、みずほ証券、と、誰もが知る大手が名を連ねています。

世の中は人手不足に喘いでいるのに、なぜ大手企業は早期退職を募るのでしょうか?

 

この現象は、世の中全体が人手不足であるようかのようで、その実、人が余ってしまう職種もあることを明らかにしていると言えます。

 

まぁ、そんなことは今更言うまでもないことですよね。

誰もが就職したがる憧れの会社や、誰もが就きたがる職種がある反面、誰もが就きたくないと思う職種があることも事実。

「きつい、汚い、危険」の3K職種や、基本的に条件の悪い職種に就くことは避けたいですよね。

それでも、誰もが都心のお洒落なオフィスで、かっこいい仕事ができるわけではありません。

やりたい仕事と、現実のギャップが矛盾を生むのです。

 

話を戻して、大手企業の早期退職です。

これは少子高齢化問題と無関係ではないと思います。

そうです、政府が目論む、定年年齢の延長義務化です。

先ずは65歳まで延長し、その先は70歳までの雇用を企業に義務付けるのです。

またもや、社会保障費問題を民間に押し付けようって作戦ですね。

 

それを知った企業はどうするか?

定年で退職するはずの社員がいつまでも働くことになる。

そうなれば当然のごとく給料を払わなければいけない。

年功により上昇した、そんな高い給料を、定年年齢延長により、いつまでも払い続けたら会社がヤバイ。

よっしゃ、それなら、義務化される前に辞めてもらおう。

もしくは、もっともらしい理由を付けて、辞めたくなるような仕事に追いやってしまおう。

必要な社員と、そうでない社員を早い段階で選別しよう。

それが企業の本音だと思います。

だって、ほとんどの企業が早期退職の対象者を50歳以上としていますから。

どんな言い訳をしたとしても、見え見えですよね。

 

このまま政府の言うがままに雇用延長を続けたら、間違いなく企業内でも、下の世代にしわ寄せが行きます。

高齢者の雇用を維持する分、下の世代の給料が下がる、もしくは上がらないってことです。

日本の社会的問題が、今度は会社の中でも起こるのです。

 

この現象について、前回投稿した自由主義に国家が介入すること、そこに一因があると考えます。

このままでは破綻する社会保証制度について、政府が有効な手段を取らず、自分達の利益を優先し、問題を先送りすることにより、本来働くべき市場経済の復元力までを阻害している。

まさに「近代国家の活動の多くは不法であり、自由を侵害するものである」です。

 

高齢者を働かせるなとか、どこかに追いやれ、なんて話をしているわけではないのです。

何ものであっても個人の意思による選択に介入すべきではないと思っているのです。

優秀な人材は、年齢と関係なく活躍します。

それなりの人は、それなりの条件で、それなりの仕事をすることになる。

そんのことは当たり前のことです。

そこに国が下手な介入をするから逆効果になり、更には優秀な人ほど割を食うことになる。

結果として経済の停滞を招く。

企業が力を失えば、更に社会保障費の問題は深刻になる。

 

優秀な方は国外に行くべきですね。