睡眠不足解消のため、今朝はトレーニングを完全休養としました。少し風邪気味ですので、休養を充分とって疲労回復を図ることにしました。

来週の月曜日から2日間、新潟に出張予定です。屋外作業なので、台風直撃の風雨が心配ですね。


さて、10月10日に日本版GPSの準天頂衛星「みちびき」4号機の打ち上げが成功して、次年度から本格的な運用が始まる見込みとなりました。

「みちびき」ホームページ

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画像出典:qzss.go.jp
提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局


「みちびき」初号機は2010年度に打ち上げられ、既に運用されており、私が使用しているガーミンのGPSランニングウォッチForeAthlete 220Jでも、GPS補完 (測位に使う衛星の数を補う手段)として、その信号が使われています。

しかし、1機の準天頂衛星が日本の上空の天頂近くに飛んでいる時間は1日8時間ほど。毎日少しずつズレて、1年経つと同じ所に戻って来ます。

代々木公園のような森林公園では、上空のGPS衛星が周囲の高い樹木に遮られることが多いため、準天頂衛星による補完効果があるのですが、私のような早朝ランナーでは、現在は冬の期間しか「みちびき」の恩恵に与れません。

次年度から4機体制が整うと、一年中24時間いつでもその恩恵に与れることになります。これは大きな前進です。

テレビのニュースや新聞などを見ると、「みちびき」が本格運用され始めると、測位の精度が数cmまで高精度化することが、かなり強調されて報道されているように感じられます。

我々が日常使用しているGPSランニングウォッチやスマートフォンなどの位置計測が、来年度から数cm精度まで向上するのでしょうか?

その答えは残念ながらNo!です。

GPS受信機単体でのリアルタイム計測精度は10mほどです。これを数cmまで向上させるためには、計測ポイントの近傍の不動点にもう一台の受信機を置いて、誤差を生む電波が電離層を通過する時に生じるゆらぎの成分等を除去してやるような、相対測位という技術が必要になります。

この技術ニーズに対して、今回、「みちびき」では、全国1,300か所ほどに設置された国土地理院の電子基準点データを利用したサービスの提供を開始します。

センチメータ級測位補強サービス(内閣府)


さらに、受信機自体が搬送波測位という方式を用いた高性能タイプである必要があります。現状ではこのタイプの受信機は、アンテナが20cm位の円盤で、本体の重さが数kgほどのものとなります。

問題は価格で、現状では受信機1台が100万円~200万円超と考えられています。


従って、現状の技術レベルでは、数cm精度が得られるGPS+「みちびき」受信機は、時計やスマートフォンにおさまる大きさ・重さではなく、また値段も自家用車1台分位なのです。当面は、ランニングウォッチの測位が数cmまで高精度化することは残念ながら無いでしょうね。

テレビの報道などが、過大な期待を与えかねない内容でしたので、少し気になっているところです。