冬。様々な大会、カップ戦のシーズン。
この季節が過ぎれば、もう春。
卒団の季節。
チビは中学生になるにあたり、市外のクラブチームに行く事に。
そしてケロ。
いつまでも遊び気分のケロ。
いや、サッカーは遊びでいいはずなんだけど。
試合になると他人事になってしまうケロ。
それは、試合に出せないようなケロだから出さない、って言う事と、
試合に出さないから試合に無関心になってしまった、って言う事、
それらがどちらが先か、って、今の私には何とも言えないんだけど、
ともかく、今のままでは、ケロは成功体験を得る事は難しい。
いろんな意味で、自尊心を無くしてる。
チームの子にバカにされ、いじめられ、
試合に出る事も無く、応援のみの週末。
家で親が出来る事は、前向きな声掛けと自主練の手伝いくらい。
実際に試合を経験できないんだから、家庭での支援にも限界があります。
で、最近あった、県大会の隙間を縫って行う地域の大会。
トーナメントで5、6回勝つと優勝なんだけど、毎年恒例の年度末総括的に参加する大会だから、当然ガチ。
20人以上選手が在籍しているけど、ケロ学年は1チームエントリー。
だから、ケロはまたまた出番無しとケロ本人も私もわかっている。
で、ケロチームは最終的には上位に入ったんだけど、
上位入賞が決まる最終戦で、2、3分ずつ全員出場させたらしい。
ケロ含む5、6人がこの試合まで全く試合に出なかったけど、
最終的にこれで、20人以上の選手全員が入賞メダルをもらう事に。
こう言う事が皆で戦う、ってことなんでしょうか。
よくわからなくてwebをさまよっていたところ、
↓こんな記事を見つけました。
個人競技にこそチームマネジメント? フェンシング 太田雄貴選手のリーダーシップ以下、引用します。
『太田さん
「メダルを獲れば人生が豊かになる」「メダルを獲れなかったことが想像できなくなる」「人生を変えよう」と伝えました。メダルを獲れないと、どれだけ注目されていた選手でもマスメディアから消えてしまいます。彼らにも家族がいる。メダルを獲れば、その家族の数の分だけ、4倍なのか16倍なのか、みんな豊かになります。そうして生まれた、チームのメンバーの今までに見たことのないようなプレーがメダルにつながりました。その中で僕はあくまで最後を締める役割でした。
椋田
メダルというのはそれだけ重要なんですね。
太田さん
ちなみにフェンシングは、試合に1秒でも出ればメダルをもらえる権利が与えられます。しかし、北京オリンピックまでは試合中の戦略的な選手交代は禁じられており、選手が交代ができるのは怪我をしたときのみでした。なので、メダルのかかった試合ではどの国の選手も、オスカーをあげたくなるような演技で怪我したふりをするんです。もちろん審判にイミテーション(=真似)だとバレれば交代はできないませんが。
椋田
そんな駆け引きがあるんですか!
太田さん
だから、金メダルを獲ったチームでも、試合に出られずにメダルをもらえなかった選手がいるとみんな下を向いているシーンがあります。北京オリンピックのときは、ドイツチームは試合の最後30秒で7回ぐらい選手交代を繰り返していました。 』
太田さんのリーダーシップ、メンバーを思う気持ちがモチベーションの変化を生み、史上初となるフェンシング団体でのメダルを獲得した、というお話で。
試合に出られずメダルをもらえなかった選手の話には、なるほどと思いました。
が、これがいい話なのは、選手自身からこういう気持ちが出て、チームとしてメダルを獲得したという点ですよね。
ケロチーム、勿論まだこどもですが…チームメイトがどう感じているのかは、聞いてみたいところです。
何故、私が妙にこだわるのかと言うと、昨秋の某大会で、順位が今ひとつになったのは、全員出場をさせたからじゃないですか、とコーチに直訴してきた先発の保護者がいたからです。
こどもが、俺たちが出たら上位になったんだと言うのなら、まあ、こどもだから…健全なエゴと思いますが、保護者がそう言う事を言うとは…
そういう発言も控え組の母皆に伝わっていますから、控え組の母達、心底がっかりしている。
もう、4年生でこう言う状況だから、高学年のサッカーで全員出場とか、絶対理解してもらえないなと思います。
そんな中、ケロ…退団を口にし出した。
チームに行けば、その場の練習は頑張る。
試合の応援もする。
ボロクソ言われても、「絶対辞めない」と言っていたケロ。
なのに…何かが切れたのか。
チビの卒団が心に影響しているのか。
チームの状況と自分のやる気、いろんな事を彼なりに考えたのか。
私は、
池上正さんの言う通り、試合に出ないとサッカーは上達しないし、移籍だってしていいとずっと思っていた。
だけど、無理矢理辞めさせる事はしなかった。
彼が、辞めないと言うならサポートすると考えていました。
でも…
彼自身から退団を口にした。
ここで親が出来る事は、
「このチームにいて楽しかった事、学んだ事を思い出してもう一度良く考えて御覧」と言う事。
モチベーションアップを計るような声掛けをする事しかないですよね。
親が試合に出してやる事は出来ない訳ですから。
「下手なんだから出られなくても当然。文句言う人は辞めろ」
という意見も全国的に根強くあり、我がチームもその縮図の一つでありますから、
仕方が無い。
ケロ自身が、ケロのペースで一つ一つ成功体験を得る事の出来る場所に移籍するしかないなと思います。
先日テレビで見た、青学の駅伝の監督の話。
箱根駅伝の走者を選考する大会に、30人以上エントリして、10人以上が自己ベストを更新したとか。
早い段階で、指導者が選抜してしまう、と言う事はしなかったんですね。
それはなぜか?チームを構成する個々人のモチベーションを下げない為ですよね。
それがよりよい結果を生んだと。
素晴らしいと思いました。
そんな機会が、チームの全員にあればいいのに。
でも、今のままでは難しい。
試合に出られる環境を探す事。経験を積める場所を探す事。
これが、今の私に出来る事です。
もうすぐ卒団のチビ。
ケロにも変化の時です。