選手の人数に対する指導者、サポートの不足。
それによって全員出場の可能性を高くする、複数チームの運営が難しいと言うのが現状。

…で…
全員出場については、私がサッカー少年の母になるずっと以前から取沙汰されているのではないかと思いますが…
当然賛否両論あると思い、web検索しますと…

全選手を公平に試合に出すべきか、上手い選手を多く出場させるべきか、両方の意見が様々あります。

失念しましたが、どちらかで読んだブログ及びコメント欄で、


「 公平に試合に出す理由が「小学生」だからというのは飛躍している。

上手くもなく努力もせずに文句ばかりの選手や親は相手にしなくてもいい。 

それをチームの規約にしたらどうかと思う 」



と言う事が言われています。


そう言われると、その通りのような気もしてきてしまいますが、

検索しますと、
野球のですね、日本リトルリーグの競技規則、というものを見つけまして。

リンク先を見ていただけると書いてあるのが、
登録した選手は全員試合に出す事。1打席以上と連続した3アウト以上の守備をすること。
審判員が球場を出るまでに、相手側の監督から審判員にアピールがあれば、全員出場していないリーグは負けになる

とありまして、適用される試合も限定されているのかも知れませんが、全員出場する事が全国規模で規則化されているということに、若干感動を覚えました。

最も登録する選手数も、人数が試合によって決まっているので、多くは無いのかもしれないし、現場で遵守されているのかはわかりませんが。


何が言いたいのかと言うと、
やはり日本のスポーツに対する認識と言うのは、部活的なものがルーツなんではないかと。

以前の記事で、部活のルーツは軍事教練ではないか、と書いたのですが。

私の中学、高校時代なんかも、鬼のシゴキみたいなのとか、ビンタとか、
練習中水を飲んじゃいけないとか、罰走とか、ありました。
補欠がいて当たり前。学年1年違うくらいで厳しい上下関係当たり前。
上手い人からスタメン。ベンチにすら入れないなんて当たり前。

で、そういう世代、もしくはそう言う世代が顧問だった世代が今、指導者なわけです。
自分たちがそんな中で育ったから、下手な選手が出られなくて当たり前。
そんな選手達にフォローなんかなくても当たり前と考えているのじゃないかと思います。

で、セルジオ越後さんの記事です。

『 セルジオ越後が斬る「日本の親とスポーツ教育」【2】──日本サッカーが強くならない一因は、学校の部活動を中心とした登録制度にある 』

と、あります。

リンク先を全て読んでいただきたいのですが、会員登録しないと読めない部分がありますんで少々引用しますと、


『  僕が初めてサッカー教室を始めようとした時に、1人の子どもが「見学してもいいですか?」って聞いてきたの。見学って言葉を知らなかったので聞き直したら、「教室の様子を見ててもいいですか」って言うのね。「見てるだけでうまくなる人なんていないよ。みんなで体験しようよ」って言うと、「だって、僕は補欠でヘタクソだから」って。もう、ビックリしちゃってね。

 僕はね、この「補欠」っていう制度は日本特有のもので、最低のものだと思っているのね。世界のスポーツの常識から考えれば、とんでもない差別なの。どんなスポーツにおいても、組織やチームというのはみんなに平等の権利を与えるのが当たり前であって、補欠なんてものは差別以外の何ものでもないんだよね。世界の多くの国には補欠なんていうものはないし、あってはいけないものなんですよ、スポーツの世界には。

── え!? 補欠って日本独特のものだというのは知らなかったです。

セルジオ越後】 : ひとつ言っておきたいのは、補欠とリザーブの違い。試合のリザーブメンバーとして登録されてベンチ入りして出番を待つ選手はいるよ。だけど、補欠っていうのはベンチ入りもできなくて、もちろん試合にも出られない。それで、スタンドから観戦して、一生懸命に応援するだけ。ベンチ入りさえできないっていうのが補欠なのね。

 いまだに日本人の多くが、補欠っていうのは当たり前のものだと思っていている。もう何年も前のことだけど、僕が昔、テレビ番組に出演した時に、久米宏さんに「世界には補欠っていうものがないんだよ」と教えたら、ホントにビックリしてたけどね(笑)。 


スポーツっていうのは、練習するためにやるものではないのね。試合に出る権利を与えることこそが、スポーツなの。日本のスポーツっていうのは、世界基準から見ると変なことをしているんだっていうことを、親であるみなさんには知っておいてもらいたいですね。 』




と、あるのです。

今、少年サッカーで問題なのは、ほんとの補欠。
ベンチには、とりあえず座っている。
でも、試合には出られない。実質の補欠。

で、このルーツは日本独特の部活なんだと私は思うのです。


そして、さっき、野球のリトルリーグの全員出場規則を持ち出したんだけど、それは何かと言うと、
日本の少年スポーツって、Jリーグが始まる前までは圧倒的に、野球が主流でしたよね。
ドラえもんでもやってる事はいつも野球だし。

で、少年のスポーツで何が問題かと言う事については、さすがに野球のリトルリーグの方が、先に気づいたんだろうなと言う事。
『レギュラーだけでなく、できるだけ多くの選手に出場のチャンスを与えよう』と言う理由で、「登録選手全員を出場させる事」を日本のリトルリーグの規約にしたのですから。

その点サッカーはまだまだです。
トーナメントでなくリーグ戦採用、11人でなく8人制にしても、現場は変わりません。
「親や選手が文句を言わない事を規約にしよう」と言う指導者。
まだまだ部活的少年サッカーなのです。
だから、ペットボトルで選手の頭を叩くような(※某チームの保護者から聞いた実話です)事もまだまだあるわけで、補欠=試合に出ない子がいても当然との認識なのだと思います。

こういう、前時代から刷り込まれた意識を変革するのは相当困難に思えますが、今後も考え続けていきます。