<小学生の頃>
季節は冬、今年もクリスマスが近づいてきた。
私は本気でサンタさんを信じていた。
毎年クリスマスが近づくとお行儀良く過ごし、サンタさんから良い子判定されるよう頑張った。
ある日は公園の落ち葉をまとめたり、ある日は信号機のボタンを拭いたりと忙しかった。
クリスマス2週間前。
母「今年は何をお願いするん?」
私「心の中でお願いしとくから内緒。」
母「それじゃ伝わるか怪しいから紙にでも書いとき。」
なるほど、確かに伝える手段は多いに越した事はない。
後日、私は見えやすいように金の折り紙を使って願い事を書いた。
しかし、それではまだ見落とす可能性もある。
念の為、上空からそりに乗ってくるサンタさんから見えやすいように庭で1番高い梅の木に登って願い事をひもで結んだ。
次の日
母「庭で光ってるあの折り紙はなに?」
私「願い事。」
私の頑張った成果に言葉もないらしい。
その日から、庭で脚立を持ちながら話し合う父と母を見かけるようになった。