その頃にはビリーは人を雇うようになっていたが、

それと同時に組合の問題もかかえるようになっていた。

組合は賃上げと福利厚生の充実を要求し、さらに、

組合員は一度に一つのバケツしか運ばなくていいように

してほしいと求めてきた。


 一方マイクは、もしこの村に水が必要ならば、ほかの

村だって必要としているに違いないと考えた。そして、

ビジネスプランを書き直し、世界中に散らばる未開発の

村を訪れ、自分が考え出した高速、多量、安価、高品質の

水の供給システムを売って歩いた。マイクの儲けはバケツ

一杯分の水につきわずか一セントだったが、毎日の供給量は

相当な量に達した。だから、マイクが実際に身体を動かして

働かなくても、世界中で何百万人という人が一日にバケツに

して何杯もの水を使い、そこから入るお金がすべてマイクの

銀行口座に流れ込んだ。マイクは村に水を運ぶパイプライン

を建設すると同時に、自分のところにお金を流し込むパイプ

ラインも作っていたのだ。


 マイクはそれからずっとしあわせに暮らし、ビリーのほうは

ずっと必死で働き続け、お金に苦労する生活を続けましたとさ。

おしまい。



これはキャッシュフロー・クワドラントの左側(EとS)と右側(BとI)との違い

を説明するためのお話です。


E・・・・・従業員(Employee)

S・・・・・自営業者(Self-employed、Small business owner)

B・・・・・ビジネスオーナー(Business owner)

I・・・・・投資家(Investor)


マイク・・・・・B

ビリー・・・・・S

四人の投資家・・・・・I

雇われ社長、建築作業員、息子、組合員etc...・・・・・E



この本を読んだのは大学生の時ですが、それ以来、僕はよく

こんな風に自問します。


「自分は今パイプラインを建設しようとしているのか、それとも

バケツで水を運ぼうとしているのか?」

「自分は懸命に働いているのか、それとも賢明に働いているのか?」



真のお金持ちになるには、右側の人間になる必要がある。


もちろん左側だってお金持ちになるのは可能だが、まず間違いなく

左側の人間は収入が増えると、責任が重くなったり、管理することが

増えたりなど収入に反比例して自由がなくなる。


僕はそれではお金持ちとは認めない。

お金持ちではなく、高額所得者である。(こういった人は大概良い車に

乗って、いい家に住んでいる。従って支出も高額である場合が多い。)


真のお金持ちとは、経済的に自由な人であると思う。

つまり自分がそこにいなくても、お金がお金を生み出してくれる、

お金を自分のために働かせている人=右側(BとI)の人間である。


お金の話があまり好きではない人には申し訳ないです。

でも絶対に人生において切り離すことのできない大事な問題だと

思うのです。


お金と人間の関係は、主人になるか奴隷になるかそのいずれかしか

ないのだから。



今日は、Bの方と会う機会があった。

30代半ばにして、すでに経済的な成功を収め、今はBからI に移ろうと

している方である。


その方とお話をしていると、僕なんてまだまだ足りないとこだらけである。


でもその方もスタートは年収300万円のEだった。

今は、月収が当時の年収を超えている。


これからも定期的にパワーをもらおうと思う。

本当にありがたい。



社会人になって1ヶ月目のある日、20代でEは卒業しようと決めた。



30代まであと2年。