出典:ロバート・キヨサキ著 

    「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドランント」



 むかしむかしあるところに、ひなびた村があった。

そこはたいそう暮らしやすかったが、一つ大きな問題があった。

というのも、その村では雨が降らないと水が手に入らなかったのだ。

この問題を解決するために、長老たちは村に毎日水を運んでくる

仕事を引き受けてくれる人間を募ることにした。

そして、名乗り出た二人と契約を交わした。長老たちはたとえ一人

でも競争相手がいれば、価格を安くおさえることができ、また一方に

支障があったときにも水に困らないですむと考えたのだ。


 契約を勝ち取った二人のうち一人はビリーという男だった。ビリーは

契約が決まるやいなや外に飛び出し、鉄のバケツを二つ買ってきて、

一マイル離れた湖に向かって駆け出し、せっせと水を運び始めた。

こうして毎日朝から晩まで二つのバケツで水を運び続けたビリーの

もとには、すぐにお金が舞い込んできた。ビリーは運んできた水を、

村の人たちが作った大きなコンクリートのタンクに流し込んだ。毎朝

ビリーは村のだれよりも早く起き、必要なだけの水がいつもタンクの

中にあるようにしなければならなかった。つらい仕事だったが、お金が

入ってくるのがうれしかったし、この契約を勝ち取った二人にうちの

一人になれたことを喜んでいた。


もう一方のマイクは、契約を結んだあとしばらく村から姿を消した・・・。



続く