
先日行われたアメリカ合衆国大統領選挙。
民主党のバラク・オバマ氏が第44代アメリカ合衆国大統領に
就任することが決まりました。
ワタクシは何年も前からオバマ支持者であるので、決定の瞬間は
本当に嬉しかったです。
思えば2004年7月、ボストンでの民主党全国大会での基調演説。
初日のビル・クリントン
三日目の副大統領候補エドワーズ
そして最終日は民主党大統領候補ケリー
この顔ぶれの中で、二日目に演説を行ったのがイリノイ州のまだ駆け出し
の上院議員だったバラク・オバマ氏でした。
まだ全国的に無名だった彼はここで素晴らしい演説をするのです。
「自由主義のアメリカ、保守主義のアメリカというものは無い。あるのは、
アメリカ合衆国のみである。黒人のアメリカ、白人のアメリカ、ヒスパニックの
アメリカ、アジア人のアメリカというものはない。ただ、アメリカ合衆国のみが
存在するのだ!」
当時、ワタクシは大学4回生で約一年のアメリカ生活から帰国したばかりでした。
うちの大学の留学生別館でちょうどこのスピーチを目にし、トリハダがたったのを
今でも鮮明に覚えています。
それから4年。
資金も支持もほとんど無いところから出発したと思ったら、かつて無いほどの
資金力を持つようになり、政治に「無関心」だとされ続けていた若者からの多大な
支持を受け、蓋をあけてみれば圧勝とも言える大差で当選。
初のアフリカ系アメリカ人大統領ということももちろんのこと、インターネットを
巧みに使った資金集め・支持拡大など、あらゆる面で歴史を塗り替えた勝利
だったと言えると思います。
また黒人であることがクローズアップされていますが、ワタクシが感じるに、
オバマ氏自身は白人と黒人といった従来の枠組みを超え、「多人種間」の
時代の政治家、そしてリーダーとして、大きな視点で自分は何をすべきかを
しっかりと見据えているように思えることが黒人だけでなく、それ以外の
人種からも多くの支持を受けた理由ではないかと思います。
“There will be setbacks and false starts. There are many who
won’t agree with every decision or policy I make as President,
and we know that government can't solve every problem. But I will
always be honest with you about the challenges we face. I will
listen to you, especially when we disagree.”
「妨げや、フライングもあるかもしれない。また、私の大統領としての決定や
政策に賛同できない人も多くいるだろう。また、政府があらゆる問題を解決
することはできないことも私たちは知っている。しかし、直面する困難な課題
について、私は常に、あなたたちに正直でいる。意見が食い違った時こそ、
私はあなたたちの声に耳を傾ける。」
勝利演説でこう語ったオバマ氏。
問題は山積みですし、オバマ氏が次期大統領に決まったことは嬉しいですが、
私は決して楽観はしていません。しかし彼なら皆の意見をしっかりと聞き、
アメリカだけでなく世界も良い方向へ導いてくれると期待しています。