日露交流戦:King's Indian, Classical (E92) | Thousand Days

Thousand Days

さうざん-でいず【千日手】
1. 同一局面の繰り返し4回。先後入れ換えてやり直し。
2. 今時珍しく将棋に凝っている大学生の将棋系ブログ。
主に居飛車党過激派向けの序盤作戦を網羅している他、
雑学医学数学物理自転車チェス等とりとめのない話題も…


「ねえ、まさかこんなことをやる羽目になるなんてこれまで考えたこともなかったでしょ?
人生っておかしなもんだよね、バブ。
みんなほんとにそうなんだね。

さあ、つづきをやろうよ。この感じでいいから…」

Raymond Carver "Cathedral"


~~~~~~~~~~~~

…この夏は妙にロシアさんと縁がある気がします。

モスクワ国立大チェス部の猛者達と8対8でチェスを白黒各1局、将棋を先後1局ずつ指すわけですが…
敵チームの末席がこちらのチェス一番手よりレート200以上高いとか一体どういう状況ですかね?

(まあ私はレーティング自体持ってませんけど!)


唯一の希望は持ち時間60分+秒読み30秒という、
チェスの試合としてはかなり奇特な?時間設定。

これを使って一生懸命読みを入れて序盤中盤終盤の無知を誤魔化しなさい」という天からの幻聴が。。



【白がロシア(rating2117)、黒が日本(nora.)】



1.d4 Nf6 2.Nf3 g6 3.c4 Bg7
4.Nc3 O-O 5.e4 d6 6.Be2 e5
7.dxe5 dxe5 8.Qxd8 Rxd8 9.Bg5 Nc6??

チェスでは先手の利を形にするため、普通は白(先手の人)が中央に大模様を張りにいきます。
対する黒は最初の4手で美濃囲いを作り、後から伸び過ぎを咎める。これがK.I.D.の思想です。

ただ本譜はこちらの予想した展開の斜め上をゆき、
角交換どころか…女王交換になってしまいました。
(まさかの、そして全然嬉しくない伏線回収!)

そうして試合開始から10分も経たないうちに、
黒に悪手が出て大勢が決してしまうという有様。。

…次の一手で黒は駒損を余儀なくされます。
ここはもちろん9… Re8と指すべきでした。




10.Nd5 Rd6 11.c5 Rxd5 12.exd5 Nxd5
13.Bc4 Be6 14.O-O Bf8 15.Rac1 h6

この辺り、周囲に凄まじい悲愴感を発散させながら指していたとのこと…
団体戦メンバーとして失格ですね。

しかし失敗すればそこで序盤は終われるのです。

…あとは「泣きながら粘り続ける」という、
将棋で常時やっている事をいつも通りやるだけなので非常に判りやすくなりましたね!(白目)




16.Bxd5 Bxd5 17.Bf6 Re8 18.Rfe1 Bxf3
19.gxf3 g5 20.Red1 Kh7 21.f4 gxf4

黒は角を捕まえるフリをしながら王様を捌き、いずれは直々に敵のタマを獲りに行かねばなりません
(↑将棋指しに特有の誤った思い込み)

右辺はね、どうせそのうち潰されるんでしょうしもう適当でいいんです(笑)




22.f3 Kg6 23.Bh4 Nd4 24.Kg2 Bg7
25.Bf2 f5 26.Bxd4 exd4 27.Re1 Be5
28.Rcd1 Kf7 29.Kf2 Re6 30.Re2 Ke7

…やっぱ出られへんかった(悲しみ)

ここからしばらくの間、二枚飛車の攻めに備えて王様自らヒモとなって頑張っています。

少々緩めてもらっているような気がしつつも、
具体的にどこがどうなのかはさっぱり不明です。
…とにかくチームの士気を下げることのないよう、
頑張って試合を長引かせるだけですね。。




31.Rde1 Kf6 32.Kg2 h5 33.Kh3 Re7
34.Kg2 d3 35.Rd2 Rd7 36.Red1 Bd4
37.c6 Rg7+ 38.Kh1 bxc6 39.Rxd3 c5
40.b3 Kg5 41.R3d2 Kh4 42.Rxd4 cxd4

こうなってみると僅かに希望も出てきました。
(※途中、敵玉が端歩を取れば飛車廻りでアウツ)

実際のところ敵玉は全然詰みませんが、
「詰ますぞ」という気持ち・気迫が大事だと思うのでNogi大将は味方の犠牲も厭わず突撃を続けます。

…ちなみに持ち時間とかとっくに亡くなってます。





43.Rxd4 Kh3 44.Rxf4 Rg2 45.Ra4 Rxh2+

ここまでくれば負けても本望…逆転してるのかも?

45. Rh4+でポーンエンディングに持ち込まれてたら、
理論上は引き分けかもしれませんが一手30秒で正確に指せたとは思えないので負けてたと思います。。


以下はルークエンディング。わけわからんですね。




46.Kg1 Kg3 47.Rxa7 Rc2 48.Kf1 Kxf3 49.Ke1 Ke3 50.Kd1 Kd3 51.Ra5 c5 52.Ra4 Rh2 53.Ke1 Ke3 54.Kf1 f4 55.Ra8 Rf2+ 56.Kg1 Kf3 57.a4 Rg2+ 58.Kh1 Rg4 59.Rd8 h4 60.Rd5 Kg3 61.a5 f3 62.Rxc5 Re4 63.Rg5+ Kf4 64.Rg8 Re1+ 65.Kh2 f2 66.b4 f1=Q 67.Rf8+ Kg4 68.Rxf1 Rxf1 69.a6 Ra1 70.b5 h3
0-1

まさかここまで辿り着くとは思ってなかったので、
特に勉強してませんでした。(アカン…)

何たって盤面右側のポーン時限爆弾が怖すぎます。
本人的には一生懸命読んでいたつもりなんですが、
将棋と同じくスピード感の欠片もありませんね。。
※代えて49… h4が世界最速の歩突き?

…まあ格下は勝ちさえすれば何でも良いのです(キリッ


最終局面で相手に手を差し出された時、
もしやこれを握り返した瞬間ドローが成立しちゃうんじゃないかとかアホなことを考えてしまい握手を一瞬躊躇ってしまったのが恥ずかしい限りでした。


~~~~~~~~~~~~

…1ヶ月間頑張った甲斐があって良かったです。
まあここで手を引かないと半年後大変なことになる
(もう手遅れという説もなくもない)
ので、数年後にまたルールからやり直しですね(笑)

※ちなみに午後の白番でもやっぱり序盤早々歩損。
…そこから終盤まで延々攻められ続けて心折れ、
ドローになりそうな順があったのに寄りと思い込んでキングと一緒に頭を下げてしまいました。。


「将棋が好きだけど羽生に勝てなくて困っている」
という方は、島国固有のゲームにこだわらずチェスで世界を狙いにいくのも面白いかもしれません。
まあ…あの人チェスも滅茶苦茶強いんですけど。



Android携帯からの投稿