映画評 『 2012 』 | 仙人への路

映画評 『 2012 』

色々なメディアでコラボ宣伝していたパニック映画 『2012』 を観てきました。 取り敢えずは、興行ランキングでも2週連続で1位ですし、この冬では今のところ一番話題の映画でありますね。 


もちろん、地球が壊滅的な影響を被る根拠って辺りには、突っ込み所が満載なんですけどね(苦笑)


それでもね、この映画はそういう冷静な目を以ってしても驚愕するに値する程の…大迫力の映像を実現して見せている点で


とにかく スゴイ!の一語に尽きます。


裏を返せば、それしか無いってことでもあり、作品の質としては底が浅いとも言えますね(^-^;) 


滅亡を察知する科学者や、普通の家族、大統領他の政府関係者などなど描く人々が多すぎると言えばいいのか、逆に地球的規模の話にしては登場人物が少なすぎると言えばいいのか、ちょっと判断に困るんだけど…いずれにしても、人々がどういう心持ちで最期を迎えるのか等の描写が短かすぎて訴求力に欠けてるのは否めません。


マヤ文明が2012年以降の暦を持たなかったというのを根拠に、2012年で地球終焉という説を用いたところは今までに聞いたことがなかった新しさがあり「なるほどぉ~」と思ったけど、 太陽で極大のフレアが発生ニュートリノが地球に初めて物理的干渉を起こす地球のコア&マントルが高熱化地殻が溶けて不安定磁場が狂って地軸が移動各地で大噴火&大地震が発生高さ1500m級の大津波が各大陸を襲う  ってな壊滅のシナリオはちょっと無理がありすぎかなぁ…。


滅亡の危機に対して、人類が生き残るために各国政府が協力して方舟を建設するんだけど、建設場所では何故か地震がなかったり。主役家族が、災害が始まってから方舟に辿り着くまで24時間余りの話の筈にしては、地殻が溶けて地盤が不安定なんでしょ? なんで陸地がまだあるの? 24時間で安定しちゃうの? 地軸も一回移動しただけで止まるもんなの? 2000キロも移動って、その時に大気はどうなんのよ? 地球の自転は? そもそも今回は地殻・津波だけを描いてるけど、これだけの大異変だったら暴風雨になったり落雷が増えたり気候がもっと変わるでしょう? 地殻が溶けたんだからっ気温は地球規模で50度超とかスゴイことになるんじゃないの? 方舟で漂流するたった一ヶ月間で全部治まっちゃうの?


…と、冒頭でも述べたように突っ込み所は満載 (爆笑)  


でもそれを超えて、大迫力のCG画面に目が釘付け(^-^)  しかもジェットコースター的に休む間もなく次から次へと連続して危機また危機!というスピーディな展開に、 その突っ込みを入れてるヒマが無い!! (爆笑)  


だから…上記のようにネタバレしても全然構わない(笑) これはストーリーを追うとか、そういう映画じゃないんですもん。筆舌に尽くせないCG画像の描写力を実際に大画面で目で見て、堪能する映画なのです。


上映時間が158分と随分と長いのに、とにかく退屈はしません(^o^)  都市が倒壊していくシーンを始めとして、最初から最後まで迫力ある凄まじいCG映像が惜し気もなくテンコ盛り♪ 一見する価値はある、と断言いたしませう。


というわけで…パニック映画としては大満足の2時間半でありました。



出演者で言えば『リーサル・ウェポン』でメル・ギブソンの相棒先輩刑事として共演していたダニー・グローヴァーが、今回米国大統領として出演しているのを久しぶりに見たのがちょっと嬉しかったな(^-^)