外から帰ってきたカレンを抱きしめたら冬の夜のにおいがした。
もふもふの毛の中に冬の街を感じた。
これから寒い寒い冬が来るんだなー。
寒いのは苦手だけど冬も好きだなー。
星が綺麗で
空が高くて
おでんが美味しい季節。
寒い寒いって夕焼け道を歩いていくと、石油のにおいと晩御飯のにおいが街を包むんだよなー。
あそこの家は今日はカレーかー
うちの晩御飯はなにかなー
なんて思いながら
とぼとぼ歩くんだ。
家に着く頃には鼻先はキンキンに冷えちゃうんだけど玄関をあけると
美味しそうな晩御飯のにおいと
あたたかな空気に包まれるんだ。
ただいまー‼︎
おかえりなさーい。
優しい声がするほうに走っていくよ。
コートを脱ぎ捨てて
今日の出来事を話すんだ。
あの頃も今もたいして変わっちゃいないなー。
いつまでも甘えてばっかりでしょうがないよ。
でもいつか
優しい声でおかえりさないが言える人になりたいな。