夕方の用事を済ませて外に出ると
ポツリポツリ雨が降っていました。
アスファルトに雨が染み込み
その香りは
私の胸をちょっとだけドキドキさせます。
なにも思い出せないのだけど、切ないような
でもとても懐かしいような。
そんな香りがしました。
さっきまで月は絹みたいに細かったけど
自転車のペダルをこぐたびに
月は少しずつ膨らんでいきました。
雨が完全にやむ頃
月は今夜の形を決めたようです。
「今日の月はどんな味?」
なぜか、ふとそう思いました。
「今日の月はべっこう飴!!!」
あぁ。
月にも味があるのだなー
そんなことを思った夜でした。
