先日、入院してるおばあちゃんに
『綺麗な、お花。紫陽花の、絵を、描いてほしい。』
と言われた。
最近は
言葉も途切れ途切れだし
話かけても反応がない時も多いから
こうやって
おばあちゃんに、なにかをお願いされるのが
嬉しかった。
私にも、おばあちゃんの為にできることがあるんだと思うと
本当に嬉しかった。
私は、おばあちゃんが紫陽花を好きだなんて初めて知った。
私の母が紫陽花を好きな理由はおばあちゃんの影響なのかなーと思うと
紫陽花が急に特別な意味を持ったように思えた。
おばあちゃんも、母も好きなあじさい。
私が好きにならない理由はなにもない。
季節外れのこの時期に、私は紫陽花がとても好きになった。
この絵を見て元気な気持ちになってほしいなーと願いながら描いた紫陽花の絵。
病室のベッドのちょうど向かい側に飾ってあるこの絵を
私がお見舞いに行くたび、指差して
『綺麗な、紫陽花、ありがとう』
そう言ってくれるおばあちゃん。
言われるたび、なんだか涙が出そうになる。
本当はもっと伝えたいことがあるんだけど
『嬉しいな。ありがとう。』
そう言うのが精一杯なんだ。
病院からの帰り道
柔らかな夕日をみながら
『限られた、時間(人生)の中で
私はどれだけの人を喜ばすことができるんだろう』
ふと、そうと思った。
最近ずっと考えてたこと。
『私の人生は、結局私だけのものじゃない。
じゃぁ、いったい私の人生は誰のための人生なんだろう。』
その答えに近いものがなんだかわかったような気がした。
あじさい/サニーデイ サービス