一年掛けて開催されたシリーズレクチャーコンサートの「松濤クラシックまにあ」の第5回と第6回に出演しました。


このシリーズコンサートは、鍵盤楽器の歴史とあるべき姿のピアノとは?そして現在のピアノの形になっていった経緯や問題点をタカギクラヴィアの高木裕社長のお話を挟みながら実際にそれぞれの時代の楽器で聴き比べていく、という素晴らしく面白い、様々な時代の最高の楽器が揃っているタカギクラヴィアだから可能になる企画。


僕はその最終回の二回を担当しました。
使用する楽器は今から約130年前に誕生したローズウッドニューヨークスタインウェイ。
リストが亡くなった翌年、ブラームスが54才の時にこの世に誕生した楽器です。
恐らくブラームスも弾いたであろうし、カーネギーホールに置かれていた時代ではラフマニノフもホロヴィッツもこのローズウッドで演奏しました。



CD75以上に音域によっての役割の違いがはっきり分けられており、何故ロマン派の作曲者たちがこのような曲を作ったのか、その意図や強い希望が楽器を通してはっきりと感じる事が出来ます。
もしかしたら、CD75よりはるかに扱いが難しいとも言えるかもしれません。
CD75ほどのパワーや輝かしさはありませんが、より演奏者の音楽性や技術が浮き彫りになるからです。
音楽性とファンタジー、そして技術が揃っていなければこの楽器では演奏が成り立ちません。







第5回はリストを中心にショパンの作品を絡めながら、第6回はブラームスを中心にシューマンを絡めながら演奏しました。
第6回ではゲストにN響の首席ヴィオラ奏者の佐々木亮さんをお迎えしてブラームスのクラリネットソナタ第2番を演奏し、ローズウッドがソロのみならず、アンサンブルにも素晴らしい力を発揮する事を聴いて頂けた事も大変有意義でした。









今回で松濤クラシックまにあは終了。
この9月から新しい企画が始まります。
僕もまたその何回目かに出演させて頂きますので是非お楽しみに!