そして、いよいよ第二回目のシリーズリサイタルです。

11月26日 トッパンホールでの公演でした。
師匠のエリック・ハイドシェックさんの演奏会などで何度か響きを聴いていましたが、このホールで自分が演奏するのは初めて。
第二回目のプログラムは、さらに奥深い響きをイメージして構成しただけに響き方や楽器の状態は非常に気になるところ。

リハーサルでは、ステージ上での独特な返し音に少し戸惑ったのと、日本音楽コンクールで数百名にいじめられて(笑)楽器がお疲れの状態でピントを合わせるのが少々難しかったのですが、客席が一杯になった状態を想定しながら打鍵の深さと速さのレンジ、ペダルやシフトペダルの分量を細かくチェックながら何とか順応していく事に成功。楽器もいい感じに立ってきました。
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そして、いよいよ開演です。
会場には沢山のお客様で一杯に!
嬉しかったのは、第一回を聴いて下さって、この日のリサイタルに足を運んで下さった方が沢山いらっしゃった事でした。

今回のプログラムの主軸は、晩年のリストが対峙し闘ったであろう生と死。
命が尽きて魂が天上へ昇天する形の死。
はたまた、生きた屍と化し世を捨て永遠にさまようDer Wanderler。

晩年のリストは、その狭間で答えの出ないテーマを常に思い悩み、自己と闘ったのだと僕は思います。

そんな僕の想いと推理を、今回のシリーズリサイタルを通して少しでもお客様に感じて頂けたのなら本当に幸せです。

連続リサイタルを終えた時点ではまだ具体的になっていなかった、新譜LISZT Iで、二回のプログラムから特に大切な作品を録音させて頂けた事、しかも、それをかねてから素晴らしいクゥオリティで評判の高いオクタヴィア•レコード(トリトンレーヴェル)でリリース出来た事は、僕にとって最高の幸せです。

是非沢山の方に聴いて頂きたいと心から願っております。
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