ほんのさわりのところだけです。

 

ーーたしかに偏差値は30上がった。一番頑張った英語はそれでも学年で10番。まだだ、まだ、学年10位。国立大学に数人しか通らないこの学校にあっては、まだ水面下だ。

2年生を通して、僕は火の玉のようになって勉強したけれど、それが恋だってことが勘づいた人は、多分、いた。
他ならぬ奈緒子だ。偏差値は、僕から奈緒子への
ラブレターだ。これから約1年後、僕が学年1位になって奈緒子を抜き去ったとき、それが僕の告白だった。
ざわめき。
一気に僕は全クラスの注目を浴びた。
大変動。
なんであいつが? 1組でない、あいつが? 特進クラス外の雑魚が。
奈緒子は知っている、僕の中学時代を。同じ出身だから。

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奈緒子が周囲に僕のことを説明したのがわかる。彼女の友だちのチラチラする目。好奇の眼差し。特進クラス男子の動揺。
毎日の受験勉強は、甘い、甘い、甘美の時。
僕は受験勉強をしているのではない。恋をしているのだ。僕は英単語を憶えているのではない。奈緒子を想っているのだ。
その一瞬のための。ーーその一瞬。
僕の奈緒子の愛しかた。
数年後、奈緒子が湯田での2回目の春、僕は麦わら帽子を抑えながら船のへりに乗っている奈緒子の手を取り、引っ張って、ぎゅっと抱き締めた。
だが。いまはまだ、

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邪魔キャラの攻撃を受けている最中だ。

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恋の成就には、邪魔はつきものだ。だからこそ、盛り上がる。

 

 

 

本文はseesaaブログにて 偏差値30、伸びる