と、その時だ。

 

唸るような、ーーうめきに近い、かすれた声、人間の声が聴こえたように思えた。親方もわたしも耳を攲(そばだ)てた。

 

親方が台の上にある宝箱を持ち上げた。階段から降りた所の台の前が、カタんと音を立てて開く。開いた窓から下を覗き込んだ。高さは三メートルほどあるだろうか、真下に人間らしき物が横たわっている。カンテラをかかげてみると、なんと串刺しになった男が木乃伊のような風体になりながら生きていたのだった。おおきく開いた丸い目が、まっすぐこちらに向けられている。そして、時折まばたきした。(見えているのかは定かでなかった)

 

呼び声がしたので振り向くと、親方が体の半分だけ見せている。さらなる地階へと続く入り口のようだ。