「そいつらが本物と思うかね?」

答えかねて口をつぐんでいた。親方の出した正解にわたしは耳を疑った。

「まがい物だよ、ぜんぶ」

「似せ物?」

思わず一枚手に取り臭いを嗅いだり歯で噛むなりして検分したい衝動は想像だけに終わり、むしろたじろぎ、ぼんやりとコインの山を目に映すばかりだった。

「腐臭がするじゃろ?」

これまで緊張のあまり気づかなかったが、たしかに、どこからか漂ってくる動物の死んだ臭いがする。

「こいつに目が眩み、ごっそりと袋に入れたならーー」

どぼん! 

親方は親指を下に向けた。短い言葉の裏にある光景が走馬灯のように転回した。たしかに、こんないかにもといった風情の財宝がいとも簡単に見つかるわけも、手に入れられる謂れもなかった。

どうしてそのことを知っているのか? という問いが頭をもたげた。