みすぼらしい診療室。野巫かもぐりにちがいない。
医者は水を大量に飲ませた。そして太い指を突っ込んできた。毛むくじゃらの甲。指に力がはいった。反射的に軀をくねらせる。嘔吐。吐瀉。容赦なくベロの根をえぐってくる指。体の中で最も神聖な部分を侵されたような気がした。なんどか吐き戻していると、出血と共にゴトリと重い物が床に落ちた。ろうそくを垂らして固めたような長めの塊。内蔵を鋳型にしたインゴット。
「ありがとう」
代わりに礼を言うジョルジュ。
頭がぼうっとなり、意識が遠のきそうになる。だが、気分はまんざらわるくはない。ふらふらとベッドに仰向けに倒れ込んだわたしに、医者と何か離していたジョルジュが脇にひざまづく。
「あとのちいさいのは、排泄物と一緒に出るそうだ。こいつだけは出しておかねば、命に関わるらしい。胃ぶくろ破ったり腸をふさいでしまうからな」
鉛の塊を見せながら言った。わたしは咳き込む。背中をさする。ありがとう、言いたかったが声がかすれて思うように出ない。腫れ上がった声帯は呼吸さえ困難にした。医者がなにか管を喉にさしこむ。嗚咽。
アルコール?
わたしは目を閉じた。
