壁がある。


壊す。乗り越える。くぐる。逃げる。へたる。


いろいろ方法はある。


しかし、もうひとつあることに多くの人が気づかない。


押す。


である。壁を押す。


巨大な壁。己の力。計算したら、押せっこない。


ところが、どんな物にも、ーー想像上の物でも、振動している。


両手をつけて、じわーーっと押す。


押しては緩め、緩めてはまた押す。


これを繰り返す。


なんどもなんども繰り返す。


その内、自分の振動と壁の振動が同期してくる。

ぐーっと押し、緩めてはまた押す。

繰り返している様、


ピッタリ、寸分の狂いもなく合致する時がくる。


その時、初めて壁は動くのだ。


ひとたび動き始めれば、摩擦は減り、どんどん動く。


動けば動く、どんどん。


すいすい滑り始める。


ぐんぐん押して行く。押して押して、押す。


あなたは走り出す。どんどん加速して。


全速力で走る。


壁はいつも目の前だ。


いつも目の前にある。


ところが、元あったところより、遥かに前進している。


壁はいつまで経ってもなくならない。


けれども、どんどん軽くなる。どんどんないかのようになっていく。


人生の壁にぶつかったら、このことを覚えておけ。


壁に愛をもて。


愛が同調させる。


同調が愛だ。


そして、できる限り巨大な、見上げるばかりの壁の前に立て。


さあやるぞと、手につばでも吹きかけて、

ニコニコして取りかかれ。


壁が重くて厚くて大きいほど押し甲斐のあることが分かる。