ラサ


いまから450年ほど前に書かれたスペインの小説です。
ピカレスク小説の先駆けとなった記念すべき作品だそうです。
荒削りで無骨。それでいながら、妙に生きるしたたかさを感じられる卓抜した作であると思います。
作者は不明です。


私が5、6歳のころ、工場労働者だった父がひと箱の巨峰を買ってきてしたり顔で私に言いました。

「おい、俺は目をつぶって食べる。交合に食べるんだぞ。ずるはするなよ」

何を言っているのだろう、と私は思いました。

その謎は、この小説を読んでから解けました。実に40年来の疑問が氷解したのでした。
当時、時短と休養と教養を主張していた労働組合の取り計らいで、工場の談話室には書物が並べてあり、きっとその中から父はこの小説を引き抜いて読んだのでしょう。

そして私をラーサロに見立てて知恵をひけらかそうとした。けれども、私はまんまとその罠をかわした。それは次回(いくつか先になると思います)、小説仕立てで紹介します。

ぜひ、一読をお願いします。

とてもおもしろいです。