ダビデの星と呼ばれる六芒星は、6。
正三角形は調和と統合を表している。それが上下に重なっているということは、完全な調和と統合を表しているのだ。そして、キリストが十字架にかけられた時に発したといわれている言葉が7つ。7番目の言葉は、『父上、わが霊をみ手にゆだねます』だった。
7という数字で表される世界。他力本願ともいえるその世界は、弥勒の世なのかもしれない。6が3つ並ぶほどの世界。これを7といっているのにちがいない。そんなこじつけにも似たことをわたしは顕在意識にもどった時に考えた。
振り返ってみれば、あの宇宙人の一派とは以前、夢で会ったことがある。
その時には、夢を夢としか思っていなかったのだが、夢の方がむしろ実体だと認識が変化してからは、あれはまぎれもなく経験していたのだと知った。
日記をみると、その記述は2006年10月7日の夜のことになっている。この夢を見た当時は、宇宙人にもオーパーツにもほとんど興味がなかった。なにか自分なりの真実が知りたくて日々自己探求していた時期にすぎない。
なにげなく北の部屋の窓から外を見ていると、ふたをしたドンブリのような宇宙舟が通りかかった。4階だ。全体的に曇りの日くらいの明るさだった。宇宙舟は、色は異なるけれども、ラオ博士の運転していたものと似ている。ずいぶんあとで知った、江戸時代の文献『兎園小説』や『梅の塵』に残っている『うつろ舟』の絵によく似ていた。『梅の塵』の絵の方により近い。ただ、大きさは直径2メートル高さ2・5メートルほどの、観覧車のいちブースをひとまわり大きくしたくらいで、白か銀かそんな色をしていた。
なんとはなしに、こっちにこないかなあ、と思うと、すーっとやってきて窓の前でとまった。わたしは驚きもしなかった。
ぱかっと上半分が開き、中からヘルメットをかぶった宇宙人が、窮屈そうに曲げていた長い体をぬっと伸ばして窓の落下防止の格子の上をくぐって入ってきた。銀色のスーツを着ていて、フルフェイスのヘルメットをかぶっていた。背はわたしよりはるかに高く、ゆうに2メートルはあったにちがいない。かれはわたしになんの断りもなくその畳の部屋を通って、どんどん奥に歩いていく。板張りの台所に行き、次の畳の部屋との境に立った。わたしは宇宙人をまじまじと見た。人間より体の厚みがない薄べったい印象を受ける以外は人間とほとんどちがいがなかった。
ーーなにをしているのか?
とわたしはきいた。
宇宙人は床に身をかがめた。そこはちょうど襖の木のレールのあったところで、飯台の下にかかっていたので、わたしは隣の畳の部屋の方にいた。かがむと宇宙人と対面する格好になった。ヘルメットは前面が黒いガラスのフルフェイスだったので、顔は見えなかった。なぜか女性だとは思わなかった。
かれは、床から20センチくらい上の空間に絵を描いてみせた。それは、地図だと思われた。起伏のある地形が、等高線を赤と黄色と緑のレーザー光線で表示した、立体の地形図のようだ。そこは、ロシア方面、中国との国境付近が中心になった北朝鮮だった。北朝鮮は、こんなところも領土なのか、と思うくらいわたしには知識がなかった。すると、それまで平野部と思われた部分が、ぼこっと一度隆起すると、すこし揺らぎながらまた元にもどった。もう一度、同じことが起きた。かれはわたしに顔を向けた。わかったか? という感じだったが、言葉はなかった。
ーーここで地下核実験があるので、調査しに行く
とかれが言ったのが、テレパシーでわかった。立ち上がると、彼は歩いて北の窓にもどり、再び落下防止の格子をまたぐって宇宙船に乗り込んだ。そして、北の方に向かって飛んでいった。
次の日、北朝鮮が地下核実験をおこなったという報道が流れた。
わたしは、いそいで地図帳を開き、確認した。わたしの住んでいる所から北に緯度を高めていくと、まさにレーザーで描かれた地形図で起伏の起きた場所、豊渓里がある。
この日記を書いたころのわたしであれば、否定したり疑ったり嘲笑したりする者があれば、三百回ころしたったろか? とドスを握って胸ぐらをつかんでねじりあげたにちがいない。しかし小心者であるために、他言はしなかった。人殺しをしないで済むようにだ。わずかに妻と、その後2010年の10月17日に、足立育朗講演会に行ったついでに受けた退行催眠の施術士にだけ話した。
日記は現存するし、夢を見た自覚はあるが、疑えばきりがない。いまのわたしは、人が信じようが信じまいが自分が幸せなのは変わらないから、お好きにどうぞといったかんじだ。だから、公表している。
いまにして思えば、かれらは地球人にコンタクトをとる前に調査していたのかもしれない。核の使用は、かれらにとって、地球における関心事のひとつなのだ。
わたしが講義を受けた宇宙人の一員とは、あの夢で会った。背の高さと、来ている銀色の服がよく似ているのだ。
「はい、ここが乾癬を表現している信念です」
と科学者は言った。
