この方法を使わなかったねずみがどうなるかというと、あとあとずいぶんあとになってから、カラカラにひからびて発見されるのです。そんなことになったら、同情されるより、どんなに物笑いの種になってしまうことか、ねずみの世界は非情なのです。

けれども、いまのリトルカーには、迷路にまよいこんだ上に、そこから出られなくなった自分を誰かに知られてしまうのが、なにより屈辱に思えていたのでした。

(どうしようかな)
リトルカーは思いました。

いろんな考えが頭に浮かんできたのですが、ぜんぶ首をふって打ち消してしまいました。他のどんな方法でも、誰かの手を借りることになってしまうからです。そんなことになったら、すぐに仲間ぜんいんに知られることになってしまうでしょう。なんとかして、自分だけで抜け出す方法を思いつかなければなりません。リトルカーは、悲しくなってしまいました。

                  *

その時です、隣のしげみでガサガサッと音がします。アッ! とリトルカーは思いました。

助かった!

嬉しさが胸からこみあげてきました。この時のリトルカーの顔をみなさんにお見せできないのが残念です。

たしかにねずみなのです。隣のしげみから聞えてくる音は、ねずみが立てている音にちがいありません。