わが輩は猫と呼ばれていた。

名前は、もうない。

あんなものがついていると、どうも肩が凝ってしかたがない。

わが輩たちは、元来、自由なものである。自由の代名詞とさえいう人もあるくらいだ。

だから、今後わが輩を見かけたら、

「おい」と気軽に声をかけてもらえれば、にゃーと粋でいなせに返事をかえそうではないか。

人間というものは、なにかと言えばすぐに名前をつけなければ気が済まない生き物らしいから始末に終えない。

わが輩のように、見て、においを嗅げばすぐに違いがわかるのがお洒落というものだ。