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「おい、ユタカ、これをのめ!」
その日のゆうしょくのじかんにおとうさんがいいました。
「おまえのためにとくべつにつくったスープだ」
「いやだ!」
ユタカくんは走ってにげだしました。
「だいじょうぶですよ、あなた」
ニコニコしながら、あいかわらずおかあさんは平気です。
けれども、おとうさんはカブトムシのせなかの上におおいかぶさり、力づくではがいじめにしてきたのです。
「は、はなせ」
「はなさん!」
そういっておとうさんはムリヤリ、ユタカくんのブラシのようなくちにスープをつけました。
「のむんだ」
ぶるるん! ユタカくんははげしく首をふりました。ぬけだそうとして体をよじったとき、くちについていたスープをおもわずのみこんでしまいました。
うわあ!
ユタカくんが力まかせにはねたので、おとつさんは1回てんして、うしろにずっこけました。
「よ、よし、これでいい」
しりもちをついたおとうさんがいいました。
うえっ! うえっ!
ユタカくんは、なんどもはきだそうとしましたが、スープはからだにしみていきました。