「このゼリーたべていい?」
ユタカくんがきくと、おとうさんがいいました。
「たべると、カブトムシになるぞ」
なったら、イヤだなとユタカくんはおもいました。けれども、おとうさんのいいかたがもっとイヤでした。
「なるもんか」
「あ、こら」
ユタカくんは、カブトムシにあげるゼリーをとると、にげだしました。
そして、ろうかを走りながら、ふたをめくってのみこみました。
つるるん
ゼリーはのどをおちていきました。
「ああ、おいしい」
「しらないぞ」
おいかけてきたおとうさんが、いまいましそうにいいました。
「あしたの朝、カブトムシになっても」