高次元から眺めれば、三次元世界は、
『時間の糸の束』に見えます。
その周囲には半透明でゼリー状の保護膜があります。
時間が逆戻りしないための膜です。
これがあるから、過去、現在、未来と進んでいくのです。
カエルの卵を思わせるそれは、
まるで無数の白い絹糸の複雑に入り組んだ束です。
近づいて見れば、
一本一本が映画のフィルムのようにあらゆる可能性を映し出した時間の流れです。
中にいれば、飛び越えることは至難のわざですが、
超えれば、どこにでも行くことが可能です。

いま私たちは、
その固定した糸の束に、
新しい糸を撚ろうとしています。

それまでの歴史をくりかえすループを超えて、
いままでになかった時間の糸です。
高次元へと伸びて行こうとしています。
すでにその先にある未来はいくつか存在していますが、
それまでの道程がないのです。
まるで証明問題のように、
条件と結論はあるのに、
その間を埋める過程がないのです。
ここは、私たちが試行錯誤して創っていくことになります。
最高にうまくいけば、
すでに存在している未来を超えるかもしれません。