第一幕 三場 森の中

背中に羽の生えた赤ん坊がなんにんも浮かんでいる。
下手から、一疋の羽の生えた赤ん坊が飛んで入ってくる。見るからに天使。
それに気づいた別の天使が声をかける。

「どうだった、ミカちゃん?」

「ううん、ぜんぜん」

「・・・。そう」

「サンちゃんは?」

「わたしもーー」
サンダルホン、下を向く。
ミカエルがたずねる。
「みんなは?」

サンダルホン、首をふる。

「いっそのこと、ボランティアでもやっちゃえば?」
横からセラフィーナが口をはさむ。

「だめよ。それだけは。よほどのことがなくっちゃ」
サンダルホンが悲しそうに言う。

「頼まれてもいないのに、勝手に助けては社長の方針に反するものね」
ミカエル、ためいきをつく。

「わたしたち、この100年ものあいだ、まるで出番がないじゃない」
セラフィーナがちょっと恨みっぽくつぶやく。
「いっそのこと、エンジェル商会にでも転職しようかな・・・」

「セーラまでそんな・・・」
ミカエル。

「そう。それもいいかもね。ひき止めないわ」
サンダルホン。

「うそよ。わたしまで行けば、残りは10人きっちゃうしね」
セラフィーナがいたずらっぽく言う。

「とにかくまたあした、困っている人を見つけに行きましょう」
ミカエル。

「そうね、そうするしかないものね」
サンダルホン。

ゆっくり暗くなる。舞台上手上方に、星がひとつ輝いている。