実効再生産数から新型コロナの拡大第2波ピークを予測 | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

新型コロナウイルスの第1波のときに実効再生産数という言葉がよく使われました。
実効再生産数とは「感染拡大防止策を講じた際に、1人の感染者が平均して何人に感染させるか」を表す指標で、これが「1.00」を下回れば1人の感染者が生み出す2次感染者が1人未満になり、新規感染者数は減少に転じます。
現在新型コロナウイルスの第2波が到来して日に日に感染者が拡大していますが、第2波の実効再生産数は7月4日にピークを迎え、今は縮小傾向にあります。

(データおよびグラフは東洋経済オンラインより引用)
(計算式は「(直近7日間の新規陽性者数/その前7日間の新規陽性者数)^(平均世代時間/報告間隔)」で示される。平均世代時間は5日、報告間隔は7日と仮定。リアルタイム性を重視して流行動態を把握するため、報告日ベースによる簡易的な計算式を用いている。精密な計算ではないこと、報告の遅れに影響を受けることに注意。モデルと監修は北海道大学大学院医学研究院・西浦博教授。計算式の詳細は西浦教授の公開するGitHubリポジトリを参照。)

グラフから7月18日から現在に至るまで概ね安定して漸減傾向にあることが分かります。
7月18日から7月30日の12日間で実効再生産数は1.46から1.29になっていますので、1日平均で▲約0.014下落していることになります。この傾向が続けば20日前後で感染拡大の第2波はピークを迎え、それ以降減少していくと予測できます。
もちろんGoToキャンペーンなどで再拡大する恐れもありますが、少なくとも第2波についても終わりの見えない拡大という時期は既に過ぎ去っており、いわゆるウィズコロナの感染拡大対策を行っていれば過剰に恐れる必要はないと思われます。

一時期あれだけよく聞いた「実効再生産数」という言葉を最近聞きませんが、恐怖を煽るだけの報道には十分注意しましょう。