コロナ疲れ?次々自説を粉砕する三橋氏 | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

もうここまで行くとご自身でも何を主張したいのかが分からなくなってしまっているのではないかと不安になります。

何故日本国債の金利が低いのか、という命題に対し、彼はこう主張します。
<引用>
日本国債の金利が低いのは、単に民間の資金需要が乏しい中、政府の国債発行が「足りない」ためなのです。市場において、国債が貴重な存在になってしまっている。となると、必然、国債「価格」は上昇する。
結果、国債「金利」が下がる。(国債価格と国債金利は反比例になります)
 ただ、それだけの話。本当に、ただそれだけの話なのです。
<引用終わり>

国債の発行が少ないから国債の金利が低くなるだけだそうです。彼は国債の発行を増やせとしきりに主張していますが、彼の理屈では実際に国債を増発するとこうなります。
①国債を増発する。
②国債の金利が上がる。
銀行の貸出金利も上がる。(貸出にはリスクが発生するため、国債以下の利率で貸出は行わない)
④民間の資金借入が減少する。

彼は同じエントリーで「恐ろしいことに、日本の金融機関の貸出は、2011年まで減り続けました。貨幣とは、貸し借りで発行され、返済で消滅します。」と言っていますが、これと同じことをせよと主張しているわけです。

実際、日本の国債の金利が低いのは日銀による国債買い入れ(買いオペ)を前提としているからでしょう。例えば2018年の日銀は37.6兆円の国債を買い入れ、1.58兆円もの「利息調整額」を国債を保有する金融機関に支払いましたので、2018年度の日銀買いオペ国債の利率は1.58/37.6=4.2%となります。
三橋氏は「100億円の国債は、償還金額は100億円です。絶対に、100億円以上のおカネが返ってくることはありません。」と言っていますが、100億円以上のおカネで買ってくれる先(日銀)があるからこの低金利が維持されているわけですね。
何故マイナス金利が存在する(金利がマイナスなのに買い手がつく)のかを考えれば想像がつくかと思います。

また、三橋氏はアベノミクスではデフレから脱却できず、銀行貸出は増えていないとずっと主張していましたが、それが誤りであることをまたもやグラフでうっかり白状してしまいました。
アベノミクス開始から銀行貸出残高は約200兆円も増えていますね。この200兆円という金額を多いと捉えるか少ないと捉えるかは個人の価値観次第でしょうが、少なくとも三橋氏本人は金融機関の貸出は、1997年と比較し、今でも200兆円も小さいのです。」と言っているように多いと思っているようです。

自分で自説をことごとく粉砕していく記事を書いてしまったわけですが、コロナ疲れでしょうか?