昨日香港の民主主義の危機について書きましたが、日本の民主主義はある意味ではそれ以上の危機を迎えているかもしれません。
検察庁法改正や種苗法改正が見送られましたが、その要因としてはTwitterを中心にした世論の高まりだと言われています。
実際に自民党の石破氏は、検察庁法改正案に関してツイッター上で抗議の声が多数上がったことについては「ツイートが激増したことが、状況が変わった大きな背景」と指摘し、社民党の福島党首は「法案成立見送りは、1000 万とも言われるツイートなど、国民一人一人の力で実現できた。民主主義にとって画期的だ」と述べています。
福島党首は重大な勘違いをしています。ツイートを行ったのが『国民』であると、誰が保証しているのでしょうか?
問題点①:ツイートを行った人の属性や数が不明
・国籍どころか所在国も不明
・1人1票の大原則も無し
・Twitterをしていない人は対象外
こんな不確かな活動によって国政が左右されていいはずがありません。
問題点②:三権分立の観点
このような国会軽視の姿勢について国会議員は異議を唱えなければならないはずですが、下のような発言をした国会議員がいます。
「国民におかしいと声をあげてもらえれば国会の中の数の力でないところで、議会制民主主義が決まる」
恐ろしいことに野党第一党の党首です。議会(国会)は選挙の結果が数となって反映されるものなのに、「数=選挙結果以外によって決まる」と力強く語ったそうです。これはもはや『Twitter社があれば野党は必要ない』と語ったも同然の発言です。
問題点③:Twitter社の信頼性
問題点①と重複する部分もありますが、Twitter社は単なる一企業です。当然利益を求めるわけですから、報酬を以て特定のハッシュタグのツイートやアカウントを水増しするよう依頼された場合、それを断るという信頼を置けるでしょうか?
特定の意図を持つ政治団体が2~3人の著名人にツイートさせ、あとはTwitter社に水増しを依頼すればいくらでも世論を操作でき、国政を左右できるということにならないでしょうか?
そして、これこそ言うまでもありませんが、Twitter社は外国企業です。調べたわけではありませんが、恐らく日本の資本などほとんど入ってないでしょうし、日本に法人税を納めることもしていないでしょう。反安倍政権の方々は反グローバリズムを自負することが多いようですが、彼らの主張する『外資による日本支配』がまさに目の前に広がっているのにこの件について問題視している反グローバリストを見たことがありません。彼らの反グローバリズムとは一体何なのでしょう?
今日本は外国の一企業が日本の国政を左右するという、極めて重大な民主主義の危機にあります。当の国会議員さえこの危機を認識していないという状況も合わせて戦慄するべき事態です。